お客様の旅紀行

旅行されたご家族・ご友人:渋谷千鶴子 様(70代、奥様でありお申込者様)渋谷守 様(70代、ご主人様)
             山田様(ご友人)武井様(ご友人)
             トラベルケア アテンダント(略TCA 男性)
目的:元気な時によく訪れた和倉温泉の加賀屋に宿泊し、美味しい海の幸を食べること。

今回お問合せくださったのは、渋谷様ご夫妻の奥様千鶴子様。ご主人の守様は数年前に脳梗塞を患い、後遺症で言葉がご不自由になられ、限られた言葉しかお話しになれなくなりました。またご自身での歩行も難しくなられて、普段は車いすで過ごされています。それでも千鶴子様は少しでも元気になってもらいたいとご家族、ご友人と毎月旅行に行かれています。そんな中、インターネットで弊社を見つけて頂き連絡を頂きました。「毎月旅行をしていますが、先日行った伊勢の旅行で主人を温泉に皆で入れた時、滑りそうになってね・・・。息子にその話をしたらプロに頼みなさいと言われたんです。せっかくお願いするなら、昔主人とよく行った和倉温泉の加賀屋に泊まりたい」





朝9時30分に奈良県にある渋谷様のご自宅に集合し、ご友人であり現役タクシードライバーの武井様の運転で出発。休憩をはさみ片道6時間半のドライブも、気さくな千鶴子様とご友人の皆様の豪快なお話で車中は大盛り上がり。和倉温泉加賀屋に到着したのがちょうど夕方5時前。加賀屋の大浴場にはお風呂専用車いすが用意されていたので、できればお部屋のお風呂より大浴場で入浴していただきたいと思い、さっそくTCAが大浴場をチェック。しかし、専用車いすがあるといえども段差が多く危険だと判断し、お部屋の露天風呂で入浴していただきました。

お部屋の露天風呂にもしっかり温泉の源泉をひいているところが、「さすが、加賀屋さん!」と言いたくなります。山田様、武井様にもお手伝いしていただき湯船へ入る守様。ザブーンと身体を沈めていくと湯船の縁からお湯が溢れ、思わず「はぁ~、いやぁ~」と心の底から声をあげられていました。身体を洗われた後も「もう一回浸かるんや!」と言わんばかりに強く目で訴えられ、お食事の時間ギリギリまでお風呂を堪能されました(笑)





初日は夕方から大雨が降り出し、2日目の天候が不安でした。しかし、千鶴子様が「絶対に明日は晴れる!見ときや!」と一喝(笑)それは見事に朝から素晴らしい秋晴れ。急遽海沿いのドライブとBBQを敢行。そこで、「千里浜なぎさドライブウェイ」で波打ち際1メートルぐらいのギリギリをドライブ。大きな青空に見事なマリンブルー。約8kmの爽快ドライブの終わりに、海鮮の浜焼きを堪能しました。
早めの昼食を終え無事帰路につきました。ところが、ご自宅に近づくにつれ守様は「はぁ」と溜息が多くなってきました。千鶴子様いわく「いつも旅行の帰りはこうなんですよ」と。そしてご自宅に到着したのが午後6時頃。TCAが「本当にお世話になりました。至らぬ点も多々あったと思いますが、また今後とも宜しくお願いします」と挨拶をしたその時、守様の左手が上がり笑顔で「ま た た の む わ な」と一言。ご病気をされて以来数年、限られた言葉しか話されなかったのに、千鶴子様、山田様、武井様も皆様ビックリ!TCAも目頭が少し熱くなってしまいました。

■ 編集後記 ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
今回の旅行でとにかく強く感じたこと、それは千鶴子様が守様を想われる夫婦愛です。旅行中も「私はいいんです。あの人(守様)が喜んでくれたら、それだけで満足なんです」と何度も言われていました。気さくで、明るく、絶対に愚痴やネガティブなことを言われない千鶴子様。今後も、お二人の物語が本当に楽しみです。

株式会社ハンディネットワーク インターナショナル 代表取締役 春山 哲朗

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