更新日:2007.5.16
「子どもって何だろう 親って何だろう」(前編)
ひとことで言えば、子どもって、いいかげんなものだ。
失敗を繰り返し、迷い、大人になってゆく。
じゃあ親って何か。
誤解を恐れずに言えば、いまの子どもが抱えているさまざまな問題、
例えば、引きこもりや少年犯罪などの99%は親の問題だ。
僕は少年時代、どうしようもないやんちゃで、きかん坊だった。
夕方になると5軒長屋のわが家に「満っちゃんに泣かされた」という子どもの親たちが
集まって来る。母は閻魔さまのような顔で僕を待ち構えている。
路地の影からそのようすを伺い、僕は怖くて家に入れない。
夕闇迫る長屋の屋根に上がって、ひたすら父を待ったものだ。
貧しい生活だが、母は強く毅然としていてそしてたっぷりの愛情を注いでくれた。
いま、世間に強い母はいない。
代わりに子どもをマニュアルにはめ込むことに熱心な“監督かあさん”が目に付く。
競争はダメだと言いながら、まわりと比べ、子どもに先回りしてレールを敷く。
こうして社会が子ども中心に回り出してから日本はおかしくなった。
(次回につづく)
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