更新日:2007.11.7
「生きるって、どういうこと?」(後編)
「どうした?何かあったの?」と声を掛けると
「お父さん、明日の運動会に来るの?車イスに乗って・・・みんなに何か言われへんかな・・・」とふさぎこむ。
僕は心臓をえぐられるような気がした。
女房は「誰も何も言わへんよ」と笑い飛ばしたが、
一瞬、「行くのをやめようかな」という不安な思いがかすめた。
障害は乗り越えたと自信をもっていた僕が不安で一杯になった。
運動会当日。
僕は保護者席の真ん中で大声で応援していた。
次男はさかんに照れている。
帰宅すると
「お父さん、あんな大声出して恥ずかしいやんかぁ」と満面の笑顔。
「ははは、ごめんな」。
動かない手で、次男の心をそっと抱きしめた。
現代はストレスが高いといわれるが、そんなのは嘘だ。
「平等」という名のもとに、
かけっこの順位をつけないというような妙な「保護教育」がもてはやされている。
それが、やがてじわじわと子どもたちを弱くし、
ちょっとしたストレスにもキレやすい人間をつくり出していく。
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