更新日:2007.12.5
「難病で苦しいはずなのに、なぜ、そんなに強いのですか?」 (後編)
子どもの頃は自分の欠点がやたら大きく見えて惨めになったり、
誰も自分を理解してくれないと孤独に陥ったりする。
でも、自分の欠点を数えるより、得意なものを一生懸命に磨けばいい。
そして一番大切なことは、まず自らがこうしたい、こうなりたいと目を輝かせて、
自分の道を歩み始めることだ。
そうすると、きっと自分を本当に理解して、
支えてくれる人と出会えるだろう。
僕の場合で言えば、人生最良のパートナーである女房、そして会社の社員。
でも、もし僕が「自分を理解してほしい」とだけ思っていたら、
彼女はここまで僕を支えてくれただろうか。
社員たちも、こうして僕とともに歩んでくれただろうか。
僕には2人の息子がいる。
僕は彼らにも、自分を理解してほしいと思って接したことはない。
僕にはできないことが山のようにある。
でも僕にしかできないこともあるはずだ。
父親らしいことは何一つしてやれないが、
少し寂しい気持ちを胸に秘めながらも、
僕は僕の役割を生き抜いている。
やがて息子たちが成人した時、
「あっ、あの時親父はこういっていたな。でも親父は逞しく生きていたな」
と一瞬でも思い返してくれれば、僕はそれでいい。
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