第4話後編
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更新日:2009.9.18
第4話「老いる」(後編)
◆薬と併せて初期の要介護から命の看取りまでを「ワンストップ・ショッピング」◆ 「老いを支える商品」は、一般の商品と根本的に異なる。それは、できれば誰もが選びたくない商品だから。 しかし、人は必ず年を重ね、人は必ず命を終える。そして直面した時、これまで比較も吟味も準備もしてこなかったので、 突如、藁にもすがる救済を他力本願で願う。 ここに情報提供機能が重要な役割を担う。同じ要介護、同じ独居でも、貧しい人と豊かな人では、求められるサービスの質も量も異なる。 自動車に例えるなら、カローラを求める人にベンツの案内が必要なのか? ベンツを求める人に、同じ値段でカローラ10台が買えますとい う案内が必要なのか? それを「平等という名の不平等」で、介護・療養・生活サービスをひとくくりにしてきたから、マーケットの健全 な発展が阻害されてきた。
個人預貯金1,500兆円にのぼる「20世紀の埋蔵金」の大半を有する高齢者。
やがて、初期の要介護から命の看取りを迎えるまで、その情報機能を一極集約するエーキャット(ACAT=エイジド・ケア・アジャスタブ
ル・チーム)のコアになるキーパーソンは、あなた方25万3,000人の薬剤師と、7万6,000店舗の薬局薬店・DgSである。
なぜなら、あなた方のもとには否が応でも処方せんは流れ、退院時計画は聞こえてくる。それは薬の販売から服薬指導に始まり、医療と
在宅を結ぶすべての情報ネットワークへリンクする。やがて「終(つい)の棲家」まで連携する「ワンストップ・ショッピング」を可能にする。
エーキャットこそ、これからの薬局・薬剤師が再活性する切り札となることに、今、気づかなければ! これまで通り、ただ流れてくる処方せんと窓口顧客に薬だけを販売するのか? それとも薬と併せて初期の要介護から命の看取りまでを 「ワンストップ・ショッピング」としてアジャストするプロフェッショナルチームになるのか?
薬剤師の諸君、あなた方は「情報の交差点」に立ち、日本の未来を左右する新しいインフラストラクチャーたりうるチャンスを手にして
いることに気づいてほしい。 ◆「暮らすハワイ」を徹底解剖◆
日本だけを見ていては、日本はわからない。世界から日本を見よう。私はこの秋、あるプロジェクトをスタートする。
23年間にわたり、アメリカ・ヨーロッパ・オーストラリアと数百カ所の視察を重ねてきたが、「暮らし」をテーマに考えた時、世界中を周ってきた私の
目から見て、ハワイは特別な場所。今回は医療、介護、保険制度はもとより、これまでの海外視察の集大成として「暮らすハワイ」を徹底解剖する。
※このコラムは「DRUG magazin」2009年8月号に掲載された連載を再掲載したものです。
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