この14年間、私は医療と介護の分野を専業とするビジネスの道を歩んできました。
介護保険がスタートし、介護の分野がビジネストレンドとして注目される時代を迎えた今、
「この道一筋に歩んできて本当によかった」とつくづく思っています。
不動産業を営んでいた私が、なぜこの分野のビジネスに飛び出したかというと、
進行性筋ジストロフィーという予期せぬ難病が発症したことから始まります。
24歳までまったく健康でしたが、徐々に手足の筋力が衰え、
あれだけ走るのが速かったのに走れなくなり、握力が限りなくゼロに近づいてきました。
運動不足のせいだろうと思っていたのですが、
26歳で進行性の筋ジストロフィーだと診断されました。
「まもなく車イスになります」と医者は宣告し、「まさか！」と思う私に
「その車イスも長くはこげないでしょう。やがて首から下の機能は全廃し、
もちろん食事も排泄も自分の力ではできなくなり、ひょっとすると
寝返りもできなくなるかもしれません」と続けました。「そんなバカな！」と思いましたが、
まさに今の私を予言していました。

（次回につづく）