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春山 満の僕の元気 〜春山 満 コラム集〜

新しい家族へ

第11話
更新日:2008.2.27
第11話「自己責任で選ぶ介護保険」(前編)

2000年の冬、介護保険の開始を前に一冊の本が出版されました。
「介護保険・何がどう変わるか」(講談社現代新書)という地味なタイトルですが、
筆者が春山 満ですから面白くないはずがありません。
ただ、医療界と福祉界に物議をかもしました。

ある医療法人の理事長は「おもしろい」と全職員に薦め、
ある社会福祉法人の施設長は「内容を職員に知らせるな」と批判し
評価は二つに割れました。

私が訴えたかったのは 「介護保険の落とし穴に気付いてほしい」ということでした。
それは「タダだからジャブジャブ使う医療と福祉」より、
私たち自身が老いの在り方を選ぶ賢いお客になることへの提言です。
「どんなケアマネジャーでもその力量を疑え」と書き、
そして「作成してもらったケアプランに疑問を感じたらノーと言おう」
とも表現しました。

「死肉にたかるハイエナの論理」という表現は、
出版社から「問題になりますよ」と指摘を受けました。
旧厚生省は、介護保険のもとでは一人のお客に対して
複数のサービス機関で公平に分配しなさいよ、と勧めていますが、
これは、お客に選ぶ権利を行使させず、業者たちの間で
「足はお前、手は私、胴体はどうやって三つに割ろうか」と決める、
サービスを提供する側の論理です。
賢い消費者にならなければハイエナのえさになってしまうということです。

(次回につづく)







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