更新日:2008.3.26
第12話「自己責任で選ぶ介護保険」(後編)
介護保険が大転換をもたらしたと言われるのは、
サービスの受け手がお客として、
自分の責任でサービスを選ぶ時代が幕を開けたからです。
一方で意外と知られていないのは、自由競争が導入されたことです。
東京や大阪のど真ん中でもヘルパー利用料を22%まで値下げした例があるのです。
介護保険が始まる前は、70歳以上なら全員が均等にサービスを受けられました。
訪問看護ステーションは週3回、自己負担は1回250円。
デイサービスも週3回、自己負担1回530円。
ところが介護保険では、利用する度に訪問看護は約8300円、
デイケアは1万円弱が限度額から引かれ、費用の1割を自己負担として払います。
これによって「平等という名の不平等」が崩れていきました。
あるデイケアは、人気がなくなりお客の数は半減。
一方、別のデイケアは入浴などサービスを充実させ、満員です。
訪問看護ステーションなどはひどいもので
「訪問看護1回やめるとヘルパーさんに何度も来てもらえる。もう明日から来なくて結構」
と言われています。
サービスを選ぶお客も大変ですが、医療界も初めて経験するお客の反乱にあっています。
(次回につづく)
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