総合トップ > 春山 満について > メッセージ集
春山 満の僕の元気 〜春山 満 コラム集〜

新しい家族へ

第15話
更新日:2008.6.18
第15話「人生のご褒美である老い」(前編)

「老い」という言葉から皆さんはどんな匂いを感じるでしょう。
いつごろからこの言葉に暗くて惨めで
そして嫌な予感のする臭いが立ち込めるようになったのでしょう。

本来、中国では「老」という文字は何とも言えない香りがしたものです。
例えば老酒、老師、そのいずれにも最上級の香りが感じられます。

いつごろから、なぜ日本人の人生の最後はこんなに惨めになったのでしょうか。
今、私たちは戦後の混乱時から比べると、
随分いいものを食べ、良い服を着て、豊かになったと言われます。
一方、超高齢化の中で、今280万人と言われる方々が介護を必要とし、
多くの家族は介護でへとへとに疲れ、
やがて親が死んだ時、涙が出ないで溜め息が出る。
親が死んでほっとする国、それが今の日本です。

かつてこの国には「看取り」という美しい言葉がありましたが、
多くの方々は人生の最後を、点滴や抗生剤など5本も6本もの管につながれ、
看取られることなく集中治療室で人生を終えます。
その日本のどこが豊かだというんでしょうか。

(次回につづく)







僕が取り戻したGood Time 僕がみた世界のGood Time 子供たちへ 壷中有天 新しい家族へ 闇に活路あり