私が「GoodTime」という何とも良い響きの言葉を覚えたのは5年前、
デンマークに行ったときです。
老いというものを逆指名する、そして人生最良の時を過ごすというキーワードを欧米の成功事例から学んできましたが、
中でもデンマークの取り組みは私にさまざまなヒントを与えてくれました。

皆さんはデンマークの医療と福祉をどのようなイメージでとらえているでしょうか。
例えば素晴らしい人権を守ったデンマークの介護制度、
そして医療と福祉はどこまでもタダだというバラ色の制度。
実はこの花を咲かせる為にデンマークは立派な茎と根を備えているのです。
茎とはマンパワー、そして根とは金です。
デンマークの所得税が皆さん50％を越えている、
そして消費税を25％も徴収しているということを御存知ですか。
人口約500万人の大阪府より小さいデンマークが、
自己責任と自助努力で医療、介護そして老いを支えている。
その根底には血の出るようなお金を徴収し続けているんです。
「金を語らずして老いと介護は語るな」。
実はこれもデンマークで覚えた言葉の一つです。

「老いと介護を世界で一番担保した国はどこですか」と聞かれたら、
私はすかさず、デンマークだと答えます。
しかし、極めて厳しい自己責任によるお金に支えられた制度をつくってきていることを忘れてはいけない、と付け加えます。

（次回につづく）