よく「お父さん、なにを見ているの」と子供たちに言われてふと気付き、
女房からは「また始まった」と苦笑される私の一つの癖があります。
それは飯をくっている子供の姿を無意識のうちに5分10分も見続けることです。
子供たちが旨そうに口を動かしている光景は、まさにあの柿の葉がグングンと音を立てて
命の輝きを発散させながら成長していく光景と同じなのです。
少ない休日を南に面した我が家のテラスデッキで過ごす事は何よりの楽しみです。
ああでもない、こうでもないとコーヒーを飲み、煙草に火を付けてもらい、
女房と語らいながら過ごすひととき。
そして風の音を聞き、季節の匂いを体いっぱいに感じる。
もし私が元気であったら、「この何もしない贅沢」に気付いたのでしょうか。
いろいろなものを体から無くしながら、たくさんのものを見つけてきたような気がします。

人生って捨てたもんじゃない。
「春山さんはなぜそんなに強いんですか。」
多くの人々にこう問われる都度、
「私が強いんじゃありません。人間って本当は強いんです。
　ただ元気な時はこのいとおしいような、何気ない日常の有難さに気づかないだけなんです。」

共に暮らしあう家族と会社のスタッフに囲まれてこれからも私と家族とそしてスタッフとの
Good Timeを探し続けていこうと思います。

（おわり）