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春山 満の僕の元気 〜春山 満 コラム集〜

新しい家族へ

第5話
更新日:2007.9.5
第5話「うわべのヒューマニズム」(前編)

4年ぶりに訪れた病院では、受付の手続きすらわかりませんでした。
やっと手続きを終えて、3時間も待っているのにまだ、私の名前は呼ばれません。
その時ちょうど白衣を着た若い先生が通りましたので
「あの〜、何か手続きを間違えたんでしょうか」と尋ねると、
「うん?待っときや〜。看護婦さんに言うとくからな。ちゃんとここにおりや」
と子どもをあやすように喋りながらスリッパを履いてちゃらちゃらと歩いていくんです。

またしばらくして先ほどの青年が通りかかりましたので、
「あの〜、先ほど尋ねた春山と申しますが」と声をかけると、
「わかっている、わかっている。ちゃんと看護婦さんに言うてあるからな、ここ動いたらあかんで。ここにおりや〜」
と足も止めずに過ぎ去ろうとしました。ムカーッと来て、
「おい、お前、誰に口きいとるんじゃ。年上が年下に、初対面だから当たり前の敬語でものを尋ねているのに、なんちゅう口のききかたをするんじゃ。このボケ!」と。
「このボケ!」は余計でしたけどね。

するとその若い医師はハッとして真っ青になり、
直立不動で「申し訳ありませんでした」と謝るんです。
失礼な態度を取る割には意外と素直です。
いきなり他人から怒鳴られた経験なんて少ないんでしょうね。
それでも怒りはおさまりません。
私が大騒ぎをしているもんですから、医師や看護婦たちが集まってきました。
リーダー格らしい医師が「どうかなさいましたか」と聞くので、
「どないもこないも話にならん。お前らはどういう従業員教育をやっているのや?」
私は思わず、「従業員」という言葉を使っていました。

(次回につづく)







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