更新日:2007.10.3
第6話「うわべのヒューマニズム」(後編)
私たちは不自由です。介護している家族も困っています。
確かにお世話を受けていますが、奉仕されているわけじゃないんです。
その裏でレセプト(請求書)は回っているんです。
私たちはその総額ではなく、ほんの一部の自己負担額しか気に留めません。
お客に値切られることのないレセプトは
60日後に完全現金として医療機関へ支払われる。
こんな市場原理のない産業はありません。
お客様は値段も知らない。自己負担分しか見ない。
だから「良い先生」とはやまほど薬をくれる先生なんです。
「弱い患者」はいても、「賢いお客様」はいない。
それをいいことにして病院では、人生の大先輩であるお年寄り、それもお客様に対して、
「△△ちゃーん」などと脳天気に呼びかけている場面を、今でも多く見かけます。
私が元気であったら回し蹴りしてやろうかと思います。
(次回につづく)
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