総合トップ > 春山 満について > メッセージ集
春山 満の僕の元気 〜春山 満 コラム集〜

僕がみた世界のGood Time

第二章其の一
更新日:2011.4.22
第二章 無保険の国『 アメリカ 』 其の一


預金や家、車ならそれを売却したときに得られる金額、
衣類、家財、みんな売り払って50万円以上持っていると
メディケイド(公的保険)は 受けられない。

■ 高齢化先進国の老い

 ドクター・アンドリュウの案内でアトランタやサンシティを訪れたあと、ぼくは毎年のように
欧米諸国へ視察へ訪れるようになりました。

 欧米諸国は一般に、高齢化先進国と呼ばれています。日本よりも先に高齢化が進んだために、それに対処する文化やシステムが発達しているのです。
そこでは人間の老いというものがどのように捉えられているか、また具体的にどのような高齢者ビジネスが行われているか、 ぼくはとても興味がありました。

 簡単にいうと、アメリカとヨーロッパでは大きな違いがあります。
たとえばアメリカは自己責任の国です。公的保険は最低限の保障しかなく、国民のほとんどは自らの判断と責任で民間の保険に入っています。 当然、老いに対して何も備えていない人は悲惨な老後をむかえることになります。よくも悪くも老いはお金で買うというのがアメリカです。

 一方ヨーロッパは、国々によってかなり差がありますが、基本的に公的保障がある程度老後をカバーしています。でもそのかわり税金はたくさん取られます。
たとえばイギリスでは所得税が半分近く取られますし、消費税も17.5%。いちばん公的保障が手厚いデンマークでは消費税が25%です。 これだけの血を流してはじめて老いの保障を勝ち取っているのです。そして南半球のオーストラリアは、ちょうどアメリカとヨーロッパを足して 2で割ったような方法を取っています。

 いずれにしても欧米諸国そしてオーストラリアの高齢化先進国は、それぞれに迷いながらも、強い意志をもって老いに対する施策を行っています。
その施策、高齢者に対する介護や医療システムには、それぞれの国が持つ文化が色濃く反映されています。 その国民が持つ死生観や人生観がいろいろなカタチで表出しているのです。

 海外への視察は、高齢者ビジネスの実態を把握するのが主な目的ですが、数々の現場を歩くうちに、ぼくはその背後にある人間の生き方のありようを、否応なくまざまざと感じ取るようになりました。
結局のところ、どのように老いに向かうかということは、どのように人生に向かい合うかということに 他ならないのです。

 ここからしばらくは、高齢化先進国の老い、すなわち人生に対するさまざまな対処の仕方やそのシステムのありようを、ぼくなりの視点から紹介して いきたいと思います。







僕が取り戻したGood Time 僕がみた世界のGood Time 子供たちへ 壷中有天 新しい家族へ 闇に活路あり