更新日:2011.6.10
第二章 無保険の国『 アメリカ 』 其の四
■ 尻の毛までむしりとられる公的保険 上
ではアメリカの公的保険はどれほどの保障をしてくれるのでしょうか。
さきほどメディケイドは日本の生活保護法のようなものだといいました。けれど正確にいえば、その実態はまったく違うものです。
たとえば日本の生活保護法の場合、手続きをけっこううまくやりながら、それなりのアパートで暮らし、
それなりの貯金を持っている、いわゆる“不正受給”人をときどき見かけます。でもアメリカのメディケイドはそれほど甘くありません。
メディケイドを受けようとすると、まず徹底したフィジカル・チェックがあります。どこがどう悪いか、どの程度の医療が必要かという一種の要介護認定のようなものです。
それと同時に徹底したファイナンシャル・チェックが行われます。どの程度お金を持っているのかという資産調査で、これは相当厳密に行われます。
問題はメディケイドを受けるための条件が、総資産5000ドル以下と規定されていることです。
預貯金ではありません。“総資産”が5000ドル以下です。
預金や家、車ならそれを売却したときに得られる金額、衣服、家財、みんな売り払って5000ドル以上持っているとメディケイドは受けられないのです。
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