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春山 満の僕の元気 〜春山 満 コラム集〜

闇に活路あり



第一章其の一


更新日:2007.5.23
恐怖の「弱りたがり病」其の一

私は二十代に発症した筋肉の病気のせいで首から下の機能を失っている。
いつ首から上の筋肉が動かなくなり、この世を去らねばならないか分からない。
私の体で一日中机に座って仕事をすることは、フルマラソンを走り切るほどの
エネルギーが必要だ。
しかし、私は年間二百回以上飛行機で出張するし、各地で百回以上講演する。
これだけ頑張れるのは、仕事を通じて「医療や福祉の業界の構造改革を進めている」
との自負があるからだ。

■ 立命の精神を

もちろん、私は評論家ではない。
社員を養い会社として利益を出し続けねばならない立場にある。
しかし「日本のためになる」という確信がなければこれだけ働けない。

このコラムは日本の夜明けを願い、私が魂を込めて行うつじ説法だ。
ぜひ楽しんでいただきたい。
今の日本は「闇の中だ、闇の中だ」といわれて久しいけれど、
自ら活路を見ようとしていないのではないか。
日本の最大の課題は「弱りたがり病」という恐ろしいウイルスの感染からの脱却だ。
日本人全体が薄っぺらな情報を山ほど持ち、無意味な評論をし、
分析はするけど行動はしない。負けた理由は山ほど分析するけど
“こうしたい”という志を持って立ち上がることを忘れている。
運命は自ら立てるものという「立命」の精神を忘れている。

「闇に活路あり」という言葉は、私がつくった言葉だ。
「死中活あり」という中国の教えがある。
「もうアウトと思った時、もう死に接したと思ったところに、
実は大きなチャンスがありますよ」という教えだ。

私は、首から下の機能を失うという宿命とともに、
経営者として幾多の経験をしてきて、一番好きな言葉が、
この「死中有活」を含む「六中観」の教えだ。
私が心の師と敬愛する東洋思想家、故・安岡正篤の教えの一つである。

その中でも特に気に入っているのが「壺中有天(こちゅうてんあり)」。
自分は壺の中に幽閉されたと、人生思うことがある。
出口が見えないどうしようもない中で、じっと壺の小さな口を見上げると、
満天の夜空が見える。
「たとえ壺に閉じ込められても見上げれば満天の出口が見えるんですよ」
という教えだ。

自分もまさにそうして生き抜いてきた。
何より、このように心から尊敬できる人を持ち、こうありたいと願う姿勢を
持ち続けられることに感謝している。

(次回につづく)







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