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春山 満の僕の元気 〜春山 満 コラム集〜

闇に活路あり

第三十八章其の一


更新日:2014.3.12
しなやかな日本へ 其の一

今、私たちの日本は、大きな岐路に立たされている。
かつて持ち合わせた秩序のあるダイナミックな国民性は失われ、島国独自のしなやかな適合性もなくし、気づけばいわゆる「グローバル・スタンダード(国際基準)」という大海の中で、羅針盤を欠いた船のように行く先が見えない。
グローバル・スタンダードとはいかなる代物なのだろうか。
それは、ある日突然、「さあ、もう教室の中での模擬テストはこれで終わり。これからは運動場へ出てアメリカのルールで競いましょう」と突然命令された小学六年生のようなものだ。
一年生から六年生まで与えられた条件のもと、勤勉にパターンフィットさせることだけを覚え、模擬テストではやがて一番を取るようになったが、運動場に出てみると目がくらんで足もすくむ。そこにいきなりドッジボールをぶつけられるとすぐにひっくり返ってしまう。さらに二、三発ぶつけられてもへらへらと笑いながら立ち尽くすしかない。教室での模擬テストとはずいぶん違うと、戸惑いながらもぶつけ返すことすらできない。
今、日本はグローバル・スタンダードという運動場でその弱さを露呈し、惨めなぼんぼんの優等生という姿をさらけ出す。

■ 米が日本を解体

いつから日本はこんなにもだらしのない国になったのか。
それは戦後、アメリカが実施した日本骨抜き作戦に大きな要因があることは以前にも本誌で紹介した。 戦後の占領下のもと家族主義を崩壊し、教育を解体し、アメリカの食や物質で日本をつけこみ、経済だけを保護下のもとで特化させた。
しかしなぜ、アメリカはここまで日本の解体を重要視したのか。

それは日本の本質的な決してまねのできない強さをアメリカが恐れたからではないのかと私は考える。
アメリカは多民族が寄せ集まってつくられた歴史の浅い国だ。だからこそ、自分たちの存在をゆるがせないものにするためにも、ナショナリズムを鼓舞し、国旗や国歌を異常に愛す。 それは歴史の無さへの恐れからくる反動と見ることもできる。

たとえば、先日のイラク戦争時にアメリカのラムズフェルド国防長官らが、ドイツやフランスに対して「年寄りの古いヨーロッパが何を言っている」と発言し、国際問題にもなりかけた。しかし私は、あの発言に、アメリカのヨーロッパに対するどうしようもない劣等感と恐れを感じる。


(次回に続く)







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