更新日:2009.4.22
何が日本を狂わせたのか 其のニ
■ 急速な高齢化とは
しかも、同時に女性もおかしくなっていった。いわゆる「女性の社会進出」が、結果として出生率を
どんどん低下させた。今では、1人の女性が生涯に産む子供の数は1.32人まで低下している。
当時は「2人から1.5人になった」と大騒ぎをしていた。
当然、人口構成がいびつに変化していく。死なない年寄り、産まれてこない子供。
昭和58年に人口動態調査を初めて実施したところ「2015年には65歳以上が人口の1/4を占める」
と分かった。そして、それは次第に現実となり、今ではあと30年余りで日本人の35%が高齢者に
なる。
こうした高齢化は人類史上でも初めての経験だ。確かに欧米でも高齢化は進行している。
しかし、日本の問題点はその急速度にある。人口が7%を超えると『高齢化』、
そして14%を超えると『高齢国』というが、問題は「それを何年で通過するか?」という時間だ。
フランスは110年、英国やドイツは60年から80年、米国も大体同じくらいだ。
100年という時間は、三世代に相当する。
これくらいの時間があると、高齢化を祖父の時代で体験し、父親の代で備えをし、
そして子供の代ではそれらを文化として始めながら徐々に準備ができる。
日本はそれをたった20年で突破し、さらに最速で35%まで達してしまう。
(次回に続く)
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