更新日:2009.8.28
示唆に富むこの女性たち 其の三
■ 松田さんは住宅から
住宅産業研修財団理事長の松田妙子さんは日本人初の米国テレビ局プロデューサーだった。
帰国後、PR会社を経て、日本ホームズを興し、日本に「ツー・バイ・フォー」の工法を紹介したことで知られている。
七十一歳で東大工学博士号を取得し、いまだにミニスカートでさっそうと活動している。
彼女の著書に「家をつくって子を失う―中流住宅の歴史/子供部屋を中心に」(住宅産業研修財団)がある。
当時の建設省とともに日本の家造りにかかわりながら、欧米の形だけを日本の家造り文化に持ち込んだことを
問題点として指摘している。
彼女の説によると、「日本は障子と茶の間の文化」であるという。
茶の間の一家団らんでお互いを思いやり、障子はある密閉性を保ちながらも場合によっては、
隣の声が筒抜ける。だから、お互いが配慮する。
それが、子供にも個室を与える欧米式の住宅は、日本の家庭から居間をなくしてしまった。
「子供は自室に引きこもり、家族のきずなは崩壊した」というのだ。
(次回に続く)
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