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春山 満の僕の元気 〜春山 満 コラム集〜

闇に活路あり

第二章其のニ


更新日:2007.9.19
活路を見いだす唯一の金融機関 其の二

■ 真のプロ集団

先般、大分の温泉地の老舗ホテルがつぶれて、オリックスが経営に参加した。オリックスのやり方は、実に巧妙だ。まず決して表に出ない。そして、系列にも資産にもしがらみにもこだわらず、収益性、時間、速度、社会性を重く見る。

一般にオリックスはサラブレッドというイメージがあるが、内実は無意味なプライドなど持たない、いわば関西風のえぐさとアメリカのフェアなドラスティックさを併せ持つプロの商売人の集団だ。会社のトップの多くは大阪弁で、何のてらいもなく「うちは金貸しやで」と言う。

あるシティホテルを再生する仕事があった時など、ほかがみんな手を引く中、オリックスは「やろう、いけるで」と判断する。よそと全然違う発想と判断をする。まず収益性を考えている。加えて、投資する商売を実業という観点からよく理解している。

あるプロジェクトで興味深いエピソードがある。改装して出直しを図るビジネスで、超一流の設計士が、理想のプランを描いてきた。坪単価八十万円かかるという。ビジネスセンスに欠ける職人にありがちな自己満足の“かっこええマンガ”のような絵だ。普通だったらだまされる。

ところがオリックスの不動産部のトップは「こら、人の金で遊ぶなよ。かっこええけど、これは遊びや。あんたら自分で客を集めてみろ。こんなのは自分らの金でせえ」と、即不採用だ。私もよく踏み絵を踏まされる。「春山さん、これどない思う?」と、オリックスのトップの目は非常に鋭い。要するに、さらに投下する資本に見合う適正なリターンが一定の速度であるかどうか、という発想だった。

(次回につづく)





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