第2章 “地獄の修行時代Vol.2”

壮絶にKOされる美学

前章の“地獄の修行時代”に引き続き・・・まだまだ書き足りない気がして仕方がない。

なぜか?

それは、地獄の修業時代を思い出すと、また更に深い地獄を思い出すというか・・・。

さて、ここで私、宮内の面白いエピソードを紹介しよう。

ある時、テレビで「春山 満」の特集が企画されるという事で、取材の間はずっと密着してテレビカメラがまわっていた。

師匠「春山 満」が動くところに、弟子「宮内 修」在り!!
と言われるぐらい共に行動し、当然の如くカメラが映す殆どの場面に私がいた。

叱られ、怒鳴られ、まさに焼きをいれられ・・・
生きていく自信をなくすほど辛い事を言われている時も・・・笑
そんな如何なる時も、もちろん容赦なく撮影は行われていた。

心優しきテレビクルーの方々に、よく慰められたものです(笑)。
その特集のラフ案があがった時、
「春山 満 特集か、お前の特集かわからない」と誰かに言われた事を今でも覚えている。

簡単に説明すると撮影されたどの場面も、「春山 満VS宮内 修」という流れになり、常に宮内 修 がボコボコにKOされている。

正に、「壮絶にKOされる美学」
という展開も中々見応えがあって面白い番組になるかもしれないと思っていたが、後にその特集はかなり編集された。
あまりの過激さ故に、放送コードに引っ掛かったのでしょう。(笑)

叱られた話ばかりなのですが、師匠が弟子に叱るのには大事な意味がある。
師匠は決してサディスティックな趣味で常に怒っているのではなく、「春山 満」という火山が噴火する時、それは、お客様の「不満」や「不安」というマグマが噴き出す前兆をいち早く察知した時なのである。

その前兆をいち早く察知することが出来るのは、頻繁に現場に出向き、何よりもお客様との対話を大切にしているからに他ならない。
多忙だとか、車椅子だとか、そんなこと師匠にとっては関係がない。誰よりも素早く問題解決の為に行動する。なぜなら、現場を把握し、お客様目線で考えることがサービス向上の第一歩だからである。

 

 

上三年で下を知る、下三日で上を知る

さて、皆様は「社長」という役職に対して、どのようなイメージを持っているだろうか?

私が若かりし頃から持っていた社長のイメージは、
簡単に言うと、ドンと座り部下に指示を出すだけだと思っていた。

しかし、師匠はそんな安直な私のイメージとは全く違う社長であった。

なぜ、社長自らが前線に立ち続けるのか。
それは、師匠のこんな言葉に込められた思いがある。

「上三年で下を知る、下三日で上を知る」

その意味とは、上司は部下に好かれる必要もなければ、ゴマをする必要もない。だから部下の特性を知るには時間がかかる。しかし、部下は必死に会社の中で生きていかなければならない。だから上司の特性を知ろうとする。

そして、こうも解釈できる。大阪弁で言うと、「上(上司)がアホやったら、下(部下)は腐る」
部下は上司の言動を冷静に観察している。だからこそ、先ず自らが実践し上司たる者から行動に移していかなければいけないのだ。

自分が変われば、世界は変わる

何度KOされてもなお立ちあがり、学びたいという私の原動力は、まぎれもなく「春山 満」に対する憧れ。
魅力を感じた者に憧れ、憧れた者を真似、真似ることによりその憧れに少しでも近づきたいという、健全なる野望を私は抱いている。

この低迷した社会の中であっても、素直に憧れ、素直に真似、愚直に行動する。失敗する時もあれば、成功する時もある。師匠も数え切れない程の失敗をしてきている。

低迷した社会を変える事は難しいが、自分の行動を変える事はたやすい。
低迷した社会を嘆くな!嘆く閑があれば、先ず自分を変えろ!

「自分が変われば、世界は変わる」

私は、常に師匠のこの言葉を胸に刻んでいる。

to be continue・・・

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■ 宮内 修 プロフィール

アイシーズ株式会社 代表取締役

1973年3月に父 宮内 義彦(現オリックス株式会社 取締役兼代表執行役員・グループCEO)の次男として生まれる。 大学卒業後、ミズノ株式会社へ入社しゴルフ用品の
販売を主に手がける。その後、オリックス・リビング株式会社に入社し有料老人ホームの開発や営業、運営の責任者を歴任。 2008年10月に有料老人ホームや高齢者専用賃貸住宅を紹介するアイシーズ株式会社を設立し、代表取締役に就任する。


 

■ 春山 満 プロフィール

株式会社ハンディネットワーク インターナショナル 代表取締役

24歳より進行性筋ジストロフィーを発症。現在首から下の運動機能を全廃。1991年
ハンディネットワーク インターナショナル設立。幅広いネットワークと体験を通した独自の視点と着眼で、オリジナル商品の開発や大手医療法人・企業等のコンサルティングなど幅広く活躍。2003年、米国ビジネスウィーク誌にて『アジアの星』25人に選出。
2005年、オリックス不動産(株)と共同出資で、高齢者住宅運営会社オリックス・リビング(株)を設立。2008年、ハワイシニアライフ協会名誉理事就任。

 




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