第2章 「若者よ、弱りたがり病にかかるな!」
私にとって 「弱りたがり病」の予防法は、「憧れを持って生きる」 ことである。もちろんその中には、「春山 満」に対しての強烈な憧れも
含まれている。そして、ただ憧れることに留まるのではなく、憧れに近付き、そして、やがてその憧れを超えたいという思いのもと、未来の自分を
常にイメージする。この一連の流れが自分を奮い立たせるのである。師匠はただ、自分の言いたい事ばかりを都合よく評論しているのではない。
師匠自身がきっと素晴らしい先駆者に憧れを抱き、世間の歪に対し疑問と怒りを抱き、そして、厳しい競争社会の中で自らの信念を貫き通してきたのである。
更に、師匠のメッセージでこんな一文がある。
「自分と他人を比較するな。あくまで自分は自分であり、他人は他人。周りから、あーだこーだ言われても自分が強烈な憧れを持ち素直に自分の信じる道を歩むべきだ。」
師匠は難病になり他人(健康な人)と比較していたら、あれも出来ない、これも出来ない、何で自分だけ・・・とネガティブな発想をしていただろう。
ここで我々が師匠から学ばなければいけないのは、与えられた境遇や環境の中で我々は生き抜かなければいけない、ということだ。
人間なかなか今の環境に満足が出来ず、健全な野心を通り越し無いものねだりを始めてしまう。自分には出来ない事もたくさんあるかもしれない。
ただ、僕に、私にしか出来ないことだってこんなにもある。この様な発想が出来れば人間は凄く強くなるのではないだろうか。
私は師匠に負けず劣らず、世間の逆風や自分自身に対して負けず嫌いである。
ラジオの中で「もし弱りたがろうとしたら、春山 満という車椅子のおっちゃんを思い出してほしい」と言っているが、まさに私にとっては、そんな強く優しく
負けず嫌いなおっちゃんを思いだす事が「弱りたがり病」にならない方法なのである(笑)。
宮内 修 プロフィール
アイシーズ株式会社 代表取締役 1973年3月に父 宮内 義彦(現オリックス株式会社 取締役兼代表執行役員・グループCEO)の次男として生まれる。 |
春山 満 プロフィール
株式会社ハンディネットワーク インターナショナル 24歳より進行性筋ジストロフィーを発症。現在首から下の運動機能を全廃。1991年ハンディネットワーク インターナショナル設立。幅広いネットワークと体験を通した独自の視点と着眼で、オリジナル商品の開発や大手医療法人・企業等のコンサルティングなど幅広く活躍。2003年、米国ビジネスウィーク誌にて『アジアの星』25人に選出。 |
ドラ息子企画 編集者 春山 哲朗
編集者 略歴 |