第5章 「上司、大人、社会にだまされたら、あかんで〜!」
春山 満はラジオの中でも語っているが、若かりし頃は鋭い刃物の様に尖がっていたようである。きっと春山 満は若き新鮮な心で、社会に対して不満を持ち馬鹿にするのと同時に独自の鋭い目で社会から学ぶべきことは素直に学んでいたのであろう。
私たちは、仕事をしていても、生活をしていても・・・日々生きていると様々な悩みと対峙する。
私が会社を興した頃、自社ホームページのデザインで相当悩んだ事があった。斬新なデザイン・機能を追求すれども、中々作業は進まない。これといったアイディアも生まれない・・・。
さて、ここで考えるのであるが、「悩む」という行為はどのような事なのであろうか。悩みの渦の中にいる時は、いつになっても解決できない気持ち悪い日々を過ごすことになる。この気持ち悪さに耐え切れず、悩みを解決させないまま物事を無理矢理進める人もいる。物事には必ず解決策があるはずだが、それを解決できないという事は今の自分の力量が不足しているのだ。そういう時には、悩んでいるだけでは何も解決しない。自分に素直になり、悩みを解決する為に何を学ばなければいけないかを考える必要がある。ここで自分には解らないと闇雲に放り投げては何も解決しない。そして、誰しも自分が未熟だとは思いたくはない。だが、この「悩み」 とは、更なる 「飛躍」を遂げる為のチャンスなのである。
時には、悩み抜いたが納得のいく答えを見い出せない・・・ということもあるだろう。そのような時は、過去の成功例や解決法をありがたく拝借すれば良いのではないか。ありがたいことに、あらゆる賢者たちは数々の素晴らしい言葉や方法を惜しむことなく我々に残してくれているのだ。我々は成長過程において、人の行動を真似、昨日まで出来なかったことが今日出来るようになったことに喜びを感じてきた。
まず、己の現状や実力を率直に認め受け入れる 「勇気」 を持ち、そして、一歩踏み出し学んで行動する 「勇気」 を持ち続けるべきなのだ。
今回のテーマでもある、「上司、大人、社会にだまされるな!」、これは決して大人を疑ってかかれという訳ではないと私は思う。社会で生き抜いていると目上の人から命令、又は指示されて行動する時、何も考えず言われたままに行動する事がある。勿論、命令や指示に従って行動する事が部下の役目でもある。もし、ここで指示・命令の内容を一度自分なりに考えてみる事ができれば、コピーという作業に留まらず、自らの勉強材料となる事もある。例えば、上司から「月次営業報告書を明日の会議で使うから全員分コピーしといてくれ!」と言われたとする。その報告書には様々な数字や営業部隊がどこを目指しているか等、色々な情報が書かれている。ただ単に、コピーだけをしていればそこからは何も学ぶ事ができないが、改めてその内容を見て、「なぜこの数字はこうなるのか?」「この目標の先に何を見据えて動いているのか?」と自分なりに疑問点がたくさん出てくるはずだ。ここを学ぶ事ができれば上司の命令にも従いながら、自分の知識も増え、考え方にも幅が広がる。
更に、人間が社会で生き抜くという事は必ずそれぞれ取り巻く環境がある。私たちは、ついこの環境に不満を持ち文句を言い、挙句の果てに言い訳材料として使いたくなる。しかし、社会とはこういうものだ、と理解し自ら考え、行動し、そして解らない事は素直に学び、真似て、自分流に加工すれば、自らの足で社会を歩んでいる事になる。
これが師匠の言う「社会から自分がどう見られるかではなく、いかに自分が社会を見るか!」ではないかと私は思う。
宮内 修 プロフィール
アイシーズ株式会社 代表取締役 1973年3月に父 宮内 義彦(現オリックス株式会社 取締役兼代表執行役員・グループCEO)の次男として生まれる。 |
春山 満 プロフィール
株式会社ハンディネットワーク インターナショナル 24歳より進行性筋ジストロフィーを発症。現在首から下の運動機能を全廃。1991年ハンディネットワーク インターナショナル設立。幅広いネットワークと体験を通した独自の視点と着眼で、オリジナル商品の開発や大手医療法人・企業等のコンサルティングなど幅広く活躍。2003年、米国ビジネスウィーク誌にて『アジアの星』25人に選出。 |
ドラ息子企画 編集者 春山 哲朗
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