第7章「こっちが正しい道,あっちが間違った道・・なんて,世の中そんな簡単やないで〜」
ラジオの中で春山 満は 「時には逃げても構わないが、それは積極的な逃げなのか、それとも怖くなっての逃げなのか?」と私たちに問うている。私の立場に置き換えると、毎日希望の裏で恐怖と対峙している。 会社経営というのは、見誤れば一寸先は闇。その先に何が待っているのかが本当にわからない。特に慎重を要するのは、決断を迫られる時である。
ただ、ラジオでも春山 満が言っているように、その時点では、いったいどうすれば正解なのかは分かる訳もなく、また、その時考えうる選択肢の全てが間違っているという可能性もありうる。では、未だ見ぬ結果を恐れるが故に、決断を先延ばしにすれば良いのか・・・、私はそうは思わない。一番恐ろしいのは、先延ばしにすることにより、勝負の機会を逃してしまうことなのではないであろうか。私は前職を辞する際、自らの力と仲間の力を借りて起業すると既に心に決めていたが、具体的な事業計画等は、何も定まっていなかった。その時、私の「決断」とは、己と仲間との絆を信じてやり抜くと「決め」、前職の地位と未知への不安を「断った」のであった。無謀な決断ではあったが、すぐさま勝負に打って出た。
春山 満もラジオで話しているが、意を決し前に進み始めたのであれば、その時の判断がどうなのかなんてどうでもよくなる。 良いも悪いもスピード良く判断しなければならない。悪い判断をしても、早く判断していたらすぐにまた違う方法論を思いつく事ができる。遅い判断で、結果が良かったならまだしも、悪い結果であったら本当に時間の無駄である。私の人生、神に許されるのであれば、まだまだ十分な時間が残されていると思う。(笑)
直感か、熟考した末か、様々な判断や決断を繰り返しこれからも人生を歩んでいくのだろう。ただ、私は、その結果が正解か不正解なのかを考え過ぎるが故に、立ち遅れるというようなことはしない。もちろん、当然の如く 「結果」 は大切である。しかし、「どう動いたか」 ということの中に、己の幸せと達成感を見い出していきたいと思っている。
宮内 修 プロフィール
アイシーズ株式会社 代表取締役 1973年3月に父 宮内 義彦(現オリックス株式会社 取締役兼代表執行役員・グループCEO)の次男として生まれる。 |
春山 満 プロフィール
株式会社ハンディネットワーク インターナショナル 24歳より進行性筋ジストロフィーを発症。現在首から下の運動機能を全廃。1991年ハンディネットワーク インターナショナル設立。幅広いネットワークと体験を通した独自の視点と着眼で、オリジナル商品の開発や大手医療法人・企業等のコンサルティングなど幅広く活躍。2003年、米国ビジネスウィーク誌にて『アジアの星』25人に選出。 |
ドラ息子企画 編集者 春山 哲朗
編集者 略歴 |