第17章「データに裏付けられた確信と情熱があれば、世の中 動かせるぞ!」
データに裏付けられた確信と情熱・・・・ この言葉は春山 満から幾度も聞かされた。春山は一方的に話すのではなく、私たちの提案や発言に対してしっかりと耳を傾けてくれる。ただ、やみくもに情熱だけでぶつかると見事にぶっつぶされる(笑)。それはもう、ラジオを聴いている方々の想像を遥かに超える勢いで叱られたが、そんな経験は今となっては私の宝物となっている。
皆さん、よくこんな人たちを見かけないでしょうか?
・ 具体的な根拠はないが、情熱だけで相手を説得しようとしている人。
・ 全く自分の役割を果たさずに文句ばかり言っている人。
春山と出会う以前の私は、もしかしたらこんな社会人生活をおくっていたのかもしれない。私は決して文句を言うなと言っている訳ではない。ただ、その文句を文句としてだけでおいておくのではなく、どうしたらより良くなるのか、どうしたら今ある問題を解決できるのかを考えて行動に移さなければ全く意味がないのだ。
但し、ここで大切なのは「データに裏付けられた確信と情熱」があるかという事である。例えば、ある新しい事業を提案するとしよう。その時、自分のしたい事だけを並べてもそんな提案は通るはずがない。重要なことは、その事業を行う事で生まれる次の可能性を見いだすことである。その事業を行う事で健全な利益を得る事ができるのか、それは事業計画上単年度黒字へもっていけるのか、それとも5年は我慢して6年目から確実に会社へ利益をもたらすのか等の必要なデータ(数字)を説得材料に使わなければいけない。ただ、ここからもう一つ大事なのは「情熱」を持つ事ができるか否かである。単に数字だけ並べても説得力に欠ける。なぜ、自分はこの事業に興味があるのか、この事業がどのような効果を我が社にもたらすのかを熱く語らなければ、上司や先方の心は動かない。結果、データに裏付けられた根拠をしっかり持っているからこそ、情熱と確信をもって相手と話すことができるのだ。
今回は、ビジネスシーンにおいて「データに裏付けられた確信と情熱」という言葉を使っている。しかし、決してビジネスの場だけではなく普段の生活の中でも十分にこのメッセージを活用できる場面がたくさんある。そして、私はこの言葉に「すぐに行動する」を足して生活してほしいと思っている。そうすることで、間違いなく自分も周りの景色も変わっていくことを私は春山から学び、自らが実感しているからだ。
宮内 修 プロフィール
アイシーズ株式会社 代表取締役 1973年3月に父 宮内 義彦(現オリックス株式会社 取締役兼代表執行役員・グループCEO)の次男として生まれる。 |
春山 満 プロフィール
株式会社ハンディネットワーク インターナショナル 24歳より進行性筋ジストロフィーを発症。現在首から下の運動機能を全廃。1991年ハンディネットワーク インターナショナル設立。幅広いネットワークと体験を通した独自の視点と着眼で、オリジナル商品の開発や大手医療法人・企業等のコンサルティングなど幅広く活躍。2003年、米国ビジネスウィーク誌にて『アジアの星』25人に選出。 |
ドラ息子企画 編集者 春山 哲朗
編集者 略歴 |