第23章
「リスクを避けたら同じようなリスクにとりつかれるぞ〜!リスクを超える所に力と経験がつくんやで〜!」
生きる事はリスクとストレスの連続である。ただ、このリスクとストレスに人間は弱い。春山満の一番弟子のくせに私は先日一週間ぐらい誰とも口を聞きたくないぐらい落ち込んでいた。一方で、私の師匠 春山満は、難病になりそこから会社を起こして今も尚経営しているが、これまでストレスを感じる暇が無かったと言っていた。とはいえ、表面的に感じていなくてもどこかでリスクを背負いストレスを感じているはずである。ただ、春山満の場合はそのリスクを避けず、ストレスさえも振り切り生き抜いている。人間というものはリスクを背負いストレスを感じるものであるが、その落ち込み度合いをさらに悪い方向に膨らませる事が出来る、「悩みのプロフェッショナル」が世の中には存在する。
@「俺は何をやってもうまくいかない」と過去の出来事と比べる。
A全ての出来事を命運のせいにする。
B人のせいにする。人と比べる。
「悩みのプロ」は誰に指示を受けなくても上記のような事を膨らませて考えてしまう。そして私も春山満と出会う以前は「悩みのプロ」であった。しかも、かなり一流のプレーヤーだったのだ(笑)。毎日悩み、何が正しいのか、何がしたいのかも分からなくなってしまった。こうなると、よほど強烈な出来事がない限りは治らない。私がこの「悩みのプロ」から抜け出すきっかけとなった一番大きな出来事は、春山満の本との出会いであった。ただ確かに春山満との出会いが人生を変えた事も事実であるが、こういう捉え方もできる。「悩みのプロ」から抜け出したいため、毎日もがき苦しんだが、たったひとつ止めなかったことがある。それは、ただひたすらに本を読むことであった。本を買いたいという理由だけで働いていたような気がする。本をきっかけに何とかこの「悩みのプロ」から抜け出したいという思いがあり、そして最終的には壁を越えることができたのである。私はこれを偶然という表現をしているが、本当は必然だと思っている。1年半かかって私は壁を越えた。結局は行動する事につきるのではないかと今振り返って思う。しかもこの本を読み続けた行動は単純な行動ではない。いつも春山満がいう「愚直に行動」した一つである。私はこの言葉が本当に好きであり、よくコラムの最後で締める時に使わせてもらう。それはなぜか?「愚直に行動」する事が、全ての出来事を解決する一番の鍵であるからなのだ。この「愚直に行動」することだけで、起業して3期を終え、悩みのプロも卒業し、また今期は新たな壁も突破するのであろう。
宮内 修 プロフィール
アイシーズ株式会社 代表取締役 1973年3月に父 宮内 義彦(現オリックス株式会社 取締役兼代表執行役員・グループCEO)の次男として生まれる。 |
春山 満 プロフィール
株式会社ハンディネットワーク インターナショナル 24歳より進行性筋ジストロフィーを発症。現在首から下の運動機能を全廃。1991年ハンディネットワーク インターナショナル設立。幅広いネットワークと体験を通した独自の視点と着眼で、オリジナル商品の開発や大手医療法人・企業等のコンサルティングなど幅広く活躍。2003年、米国ビジネスウィーク誌にて『アジアの星』25人に選出。 |
ドラ息子企画 編集者 春山 哲朗
編集者 略歴 |