第30章 「慣れるな、照れるな、ためらうな!一期一会を忘れるな! 」
113勝2敗!!この数字は春山 満が東京海上でコンサルタントをしていた時、各地区での売上目標達成の成績である。113回も目標をクリアーしているのに2回の未達成が忘れられないと語る春山。いかにも春山らしいが、まったく私も同じ考えである。
人間は都合良く、ものを忘れる動物である。しかし、一番忘れてはならない事は「負けた事」なのだ。負けた事の定義はいろいろあるが、悔しさ、情けなさ、恥ずかしさ等である。私が今まで悔しかった事や情けなかった事を以前のコラムにも記載しているが、この記録こそが自らの生きる力になっている。負けた事を忘れる事は絶対あってはならないと強く思う反面、闇雲に追いかけてそれに固執し続けてはいけないと思う。
いくら努力しても負ける事はある。私が今更宇宙パイロットを目指したり、プロ野球選手を目指す事は現実的に無理である。自分がどれだけ努力をしても追い付けない事も世の中にはある。夢や目標に到達したい、超えたいと思っても現実とのギャップの狭間で挫折を味わい、今の自分よりマイナス思考になる・・・これが以前の私の姿である。
「一つの土俵、手法では負けても、"これだけは負けない"という己のフィールドを探し、絶対に負けない武器を見つける」それこそが人生にとって最も重要な事だと考えている。私は若かりし時、とにかく資格、学歴にこだわった時期があり、本当に無我夢中で勉強した。しかし、多少なりと結果はでたが、思ったような成果でもなかった。努力は確かに嘘をつかない事もわかったが、私にはどうもしっくりこなかった。勉強により、ある「形」は得たものの、心からの満足感やその場で直ぐに活かせる即効性は得られなかった。
ただ、仕事は違った。高校1年からバイトをし、バイトながら他の店舗に応援に出向いたりもした。新卒で入った会社では営業という仕事が楽しく、すぐに結果もついてきた。それなりの努力次第で結果がでたのだ。仕事が好きだと言えばそれで終わりだが、結果が目に見えてわかる事の方が私には向いていたのだと今考えれば思う。
今になって素直に思う事、それはこれからも「負ける」悔しさを忘れず、『慣れない、照れない、ためらわない』という姿勢でビジネスという戦場で勝負をすること。決して玉砕などしない。例え一つの勝負に負けたとしても、必ず立ち上がり復活を遂げる!
宮内 修 プロフィール
アイシーズ株式会社 代表取締役 1973年3月に父 宮内 義彦(現オリックス株式会社 取締役兼代表執行役員・グループCEO)の次男として生まれる。 |
春山 満 プロフィール
株式会社ハンディネットワーク インターナショナル 24歳より進行性筋ジストロフィーを発症。現在首から下の運動機能を全廃。1991年ハンディネットワーク インターナショナル設立。幅広いネットワークと体験を通した独自の視点と着眼で、オリジナル商品の開発や大手医療法人・企業等のコンサルティングなど幅広く活躍。2003年、米国ビジネスウィーク誌にて『アジアの星』25人に選出。 |
ドラ息子企画 編集者 春山 哲朗
編集者 略歴 |