今回のテーマは「新しい老いのあり方」についてである。哲朗社長もこの「新しい老いのあり方」の探究のため「グッドタイム」という雑誌を創刊されたとのことで、相変わらず精力的に動いており素晴らしい。
さて、ラジオの中で「人生は人と比べるものではない」という話をしているが・・・。まあ比べたい人は比べてかまわないと思う。実際、私もかつては人と比べてばっかりいたので・・・(笑)。しかし、人と比較することによって、良い方向に進むことがあるのも事実である。それがモチベーションの向上に繋がるからである。
ただ、世の中どう頑張っても勝てない相手、実現できないことってある。私も猛烈に他人と比較してモチベーションを高め、毎日努力していたこともある。それでも、やっぱりかなわないこと、できないことってある。だから他人と比較をするだけではなく、過去の自分とも比較をすることが大事だと思う。どういうことかというと、ただひたすらに、自分ができることを伸ばす。そして、さらに伸ばす伸ばす伸ばす・・・である。そうしたら他人なんて目に入らない。もう、自分との戦い。そして自分との戦いに勝ったとき、はじめて違う景色が見えてくるのではないだろうか?
今年4月「 Good Time 」という冊子を弊社から創刊した。これは老いの新しい価値を創出することを目的として年2回の発行を目指している。是非、手にとっていただきたい。
今回は「 Good Time 」創刊号にも載せた僕のメッセージを紹介させていただく。
29年間、車いすの父と旅行し続けたからこそ伝えたい「新しい家族の旅」
2014年2月、私の父 春山 満は進行性筋ジストロフィーによる呼吸不全で亡くなりました。私が生まれたのは父が31歳の時。24歳で難病を発症した父は私が生まれた頃には既に車いす姿でした。超重度の障がいを持つ父ではありましたが、年3回の家族旅行は欠かさず続けてくれました。そんな父と家族と過ごした旅行の思い出は父を亡くした今もなお、鮮明に心に刻まれ私たち家族を支えています。
そして、2015年2月からスタートさせた新サービス「グッドタイム トラベル」。このサービスはご高齢になられ家族旅行そのものを諦めている方、そしてその周りのご家族を支える新サービスです。私には、29年間車いすの父と旅行をし続けたからこそ伝えたいことがあります。
それは「 老いこそグッドタイム!」ということ。身体は年齢と共に皆平等に衰えます。しかし、私は老いてもなおいかに心を輝かせ続けるかということが重要だと思っています。
「 Good Time 」の創刊により、新しい価値を創出したいと考えています。老いたからといって一律のサービスしか選べないのではなく、もっとバラエティ豊かなサービスから、自己責任と自己選択で選べる日本にしたい。
「 老いこそグッドタイム!」
身体を支え、心を支え、そして家族を支え。
近い将来、「 Good Time 」が日本の高齢期における
新しい価値となることを願い創刊させていただきます。
「 Good Time 」創刊号(無料でお読みいただけます)
http://www.hni.co.jp/goodtimetravel/booklet.html
株式会社あすき 代表取締役 会長 1973年3月8日 東京都生まれ。 |
株式会社ハンディネットワーク インターナショナル 春山 満の長男として1985年に生まれる。
高校を卒業後、ハワイの大学へ留学。その後アメリカ ネバダ州のUniversity of Nevada, Las Vegasへ編入。
2007年10月、春山 満からビジネスを学ぶため、株式会社ハンディネットワーク インターナショナルへ入社。
2012年7月、同社 取締役に就任。
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24歳より進行性筋ジストロフィーを発症。首から下の運動機能を全廃。1991年ハンディネットワーク インターナショナル設立。幅広いネットワークと体験を通した独自の視点と着眼で、オリジナル商品の開発や大手医療法人・企業等のコンサルティングなど幅広く活躍。2003年、米国ビジネスウィーク誌にて『アジアの星』25人に選出。 |