本日のゲストは兵庫県立美術館館長 蓑豊さんである。美術館・・・残念ながら私は、無縁の人間である。ただ、行ったら絶対に楽しいとは思うのだが・・・。さて、蓑豊さんが「美術館は美術の勉強だけではない」とおっしゃっているが、何かわかるような気がする。空間が変わると、気持ちがリラックスしないだろうか?
このコラムでも何度も書いているが、気分を変えるために私はたまにホテルのラウンジで仕事をする。旅行で知らないところに行くと、気持ちが高揚しないだろうか?旅行嫌いな私でも高揚する(笑)。家に合う新しい家具を置いたら、なんか落ち着いた雰囲気にならないだろうか?落ち着いたバーに行ったら、どんちゃん騒ぎはまずしない。落ち着いた空気で酒を楽しむ。
空間が変われば、考えも、気分も変わる。誰もが味わっていることである。美術館もそんなところだと思う。仕事が煮詰まっていたり、何をやってもうまくいかないときなど、足を運んだら、新しい発想、考えが浮かぶ場所なのである。日本にはまだまだ私たちが知らない場所、空間がたくさんある。そこを訪れることで人生が変わるかもしれない。だから行動。何事も行動した後に考えればいいのである。さて、私も一度美術館に足を運んでみようかな・・・
今回のゲストは美術館の革命家「蓑 豊(みのゆたか)さん」だ。海外の数多くの美術館の館長を務められ、日本でも大阪市立美術館や金沢21世紀美術館などを大成功に導かれた。正に常識の裏の非常識をいき、常識を打ち破り続けている。詳しくはポッドキャストで是非放送内容を聴いてほしい。
改めて蓑さんのお話を伺いながら考えさせられたことがある。それは日本を愛しているなら文化の違う海外で学ぶことが重要だということだ。日本の中だけを見ていると本質が見えないことがある。これまで深く考えることもなく当たり前だと思っていたことが、実は我々の不満となっていることがたくさんある。海外で生活すると良くも悪くもカルチャーショックを受ける。蓑さんの事例で言うと、海外の美術館では、子供たちが大はしゃぎしながら美術館で楽しんでいる。一方で日本の美術館は大人たちが静かな空間で楽しむため、子供たちがうるさくすることがタブーとなっている。この状況が続くと子供たちの美術離れが続き、大人になっても興味を持たなくなるのではと蓑さんは危機感を持っている。そこで子供たちが美術館へ行きたくなるような仕掛けをした結果、金沢21世紀美術館では年間150万人の来場者を達成し、今も尚来場者数が減ることがないという。
日本は小さな島国であり独自の経済発展を遂げてきた。もちろんこれは素晴らしい功績である。しかし世界と比べて、非常識がまかり通っていることもたくさんある。これはアメリカ流やヨーロッパ型を導入しなければいけないということではなく、もっと上手くやっている国を真似することが重要だということである。
現状に満足するのではなく、常識の裏の非常識を見つけ、新しい価値を創出できれば日本は更に豊かになるだろう。
株式会社あすき 代表取締役 会長 1973年3月8日 東京都生まれ。 |
株式会社ハンディネットワーク インターナショナル 春山 満の長男として1985年に生まれる。
高校を卒業後、ハワイの大学へ留学。その後アメリカ ネバダ州のUniversity of Nevada, Las Vegasへ編入。
2007年10月、春山 満からビジネスを学ぶため、株式会社ハンディネットワーク インターナショナルへ入社。
2012年7月、同社 取締役に就任。
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24歳より進行性筋ジストロフィーを発症。首から下の運動機能を全廃。1991年ハンディネットワーク インターナショナル設立。幅広いネットワークと体験を通した独自の視点と着眼で、オリジナル商品の開発や大手医療法人・企業等のコンサルティングなど幅広く活躍。2003年、米国ビジネスウィーク誌にて『アジアの星』25人に選出。 |