今回のテーマは「泣いて恨んで評論してても道は開けない」である。私はこれまでのコラムにも
たびたび書いているが、いろんな人を恨んだり、憎んだり・・・忘れないように記録までしている。
さらっとこのように書くと、よっぽど根に持つ人間に感じられると思うが、私も、そこまで嫌な歪んだ性格ではないつもり。(笑) なぜならば、私は、恨んだり、憎んだりした人に対して決して仕返ししようと思っているわけではない。恨んだり、憎んだりしたことを、エネルギーに変えることが大切だと思っているからである。「この不愉快な奴より絶対に幸せになるんだ」と過去の記録を見ながら、そう思っているだけである。
それよりも、恨んだり、憎んだりしている人を忘れる方がよっぽど問題だと思う。日々思い出し、怒って、悔しい思いを忘れず胸に刻み、もっと努力しないといけないのである。自分自身を超えないといけないのだ。それを評論して納得して忘れる。そこに何の成長があるだろうか?
別に恨んだり、憎んだりした人を傷つけようとしているのではない。決して忘れない努力を、私たちは重ねるべきなのである。
父 春山 満のように強烈な経験をしたことがないので、このメッセージをどこまで理解できているか分からない。レベルは違うが僕の経験を一つ事例に挙げたいと思う。父が他界し来年2月で丸3年になる。新しく始めたビジネスもあれば、廃止したビジネスもある。社内での人の入れ替わりもあった。ビジネスパートナーと縁が切れたりと、様々な環境の変化があった。正直、時には嘆いて恨んだこともあった。しかし、その気持ちからは何も生まれなかった。
そして、今どういう気持ちでいるかというと「去る者は去れ。終わるものは終われ」という気持ちでいる。ここには嘆きも恨みもない。この環境をどう活かすかだけを僕は考えている。なぜ割り切るのか、それは次の道を拓くことだけが僕の使命だからだ。あの時のビジネスが継続していればとか、あのメンバーで仕事ができていればとか、こんなことを100万回嘆いても戻ってくるわけではない。
この3年間突っ張って進んできた。これまでは点と点でしかなかったものが、細い糸で繋がり始めたと最近実感できるようになった。周りの環境が常に変化する中でも、タフにならなければ時代の波に飲み込まれていく。豪華客船のような悠々とした航海はまだまだできていないが、ボロ船でも味があり機動力のあるチームで仕事をしていきたいと思っている。
株式会社あすき 代表取締役 会長 1973年3月8日 東京都生まれ。 |
株式会社ハンディネットワーク インターナショナル 春山 満の長男として1985年に生まれる。
高校を卒業後、ハワイの大学へ留学。その後アメリカ ネバダ州のUniversity of Nevada, Las Vegasへ編入。
2007年10月、春山 満からビジネスを学ぶため、株式会社ハンディネットワーク インターナショナルへ入社。
2012年7月、同社 取締役に就任。
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24歳より進行性筋ジストロフィーを発症。首から下の運動機能を全廃。1991年ハンディネットワーク インターナショナル設立。幅広いネットワークと体験を通した独自の視点と着眼で、オリジナル商品の開発や大手医療法人・企業等のコンサルティングなど幅広く活躍。2003年、米国ビジネスウィーク誌にて『アジアの星』25人に選出。 |