【スペシャルインタビュー】「使うものが美しいと、人の心は豊かになる」ウィリアム・モリスの名言を体現した、自分らしい暮らし

「コンパクトな住まいの中にも、“本物思考”を維持できる設えを揃えたいという思いがありました」

竹本孝三郎さんは、1973年に都内にデザイン会社を立ち上げて、地道にキャリアを積み上げてきた。会長職となった今は、昨年9月に購入した千葉県・鴨川のマンションから週に1回程度、会社に顔を出す。

「3年かけて理想の住まいを探しました」と話す、竹本さん。

セミリタイアの地に鴨川を選んだのは、大好きなゴルフ場と温泉が近くにたくさんあったから。

「伊豆、熱海、湯河原、勝浦など、いろいろな温泉地を見て回りましたが、避暑地ではなく生活拠点で考えると、坂が多かったり、山の中にあったりすると、不便で暮らしづらい。その点、鴨川は、鴨川温泉郷もあるし、平地で大規模スーパー、大型DIYも近くにあり、目前の海からの地魚がおいしい。東京に通勤するのも車だと1時間40分。今の暮らしに欠かせないゴルフ場は車で20分前後のところに3〜4カ所あり、全ての条件を満たした理想の場所でした」

リビングの窓からは、サーフスポットで有名な海岸線が臨める。

新居では、間仕切りを取り払って、壁紙や床材も全て張り替えた。その空間に、自分好みのインテリアを一点ずつ置いていき、理想の住まいに向けてピースを埋めていく。ウィリアム・モリスの『いちご泥棒』柄のカーテンは、インテリアショップを巡っているときに偶然見つけた。

「私の姪が英国に住んでいるのですが、彼女からモリスの話を聞いたことがありました。当時は、1800年代の英国にレオナルド・ダ・ヴィンチみたいな人がいたんだな、くらいに思っていたのですが、インテリアショップの店員さんがモリスのデザインした『いちご泥棒』について、とても熱心に語ってくれて。デザインの背景にある物語に惹かれて購入したんです」

普段は子供たちの相手ができずにいるけれど、旅行中は思いっきり楽しみなさいと。だから僕たちは、夏は沖縄の海へ、冬は岩手の安比高原へ行くことが定番でした。海では浮き輪を使って父を浮かせ、沖で一緒に楽しみ、スキー場では車椅子ごとゴンドラに乗り込み雪山の山頂まで一緒に行ったりと、難病の家族がいるとは思えない家族旅行を結果的にやり続けてこられました。

ウィリアム・モリスは、19世紀の英国で活躍したデザイナーであり、アーツ・アンド・クラフツ運動という手仕事の工芸を大切にする動きのリーダーだった人。いちごをついばむ可愛らしいツグミが描かれた『いちご泥棒』は、自然の美しさをアートに昇華した彼の代表作。インディゴ抜染技法という伝統的な染色技術を使い、鮮やかで深みのある色合いを出している。

竹本さんがポスチャーサポートチェア(PSC)プレミアムの椅子に出会ったのは、その後のことだ。

「リビングに置く万能な椅子を探していたんです。先に購入した『いちご泥棒』柄のカーテンは存在感があったので、そのテキスタイルに合う椅子を探している中で、ハンディネットワークさんのWebサイトを見つけました。まず、創業者の春山 満さん自らが体現された人間工学に基づく椅子というフレーズに惹かれて。しっかりした裏付けが丁寧に説明されていて、材質や作りにもこだわった商品なのだなと感じました」

椅子の支えがしっかりしており転倒防止を意図した作りだと理解しているものの、それゆえ動かしづらい点を残念に感じているというが「それもいつか、自分がこの仕様に合うようになってくるのかな」と、竹本さんは笑う。

PSCプレミアムでは椅子の脚の裏側にプラパートが使用され、肘掛けに体重をかけて立ち上がっても、椅子が後ろに滑らないようになっている。立ち上がり時に支えとなる肘掛けは、天然木を使用して触り心地が滑らか。握りやすい形で、立ち座りの動作を安全にサポートする。

「カッシーナやハーマンミラーのようなモダンなデザイナーズ家具も探していたのですが、ハンディネットワークさんの椅子の背景にある、思いやこだわりに心を動かされました。介護分野で事業を行う会社の製品ですが、ポスチャーサポートチェアの写真を見たとき、介護というフレーズが持つ人生の終焉というか、寂しいイメージから引っ張り上げてくれるような躍動感やエネルギーを感じたのです。“歳を重ねてこそ人生”という気持ちになれましたね。高い買い物だったけど、いい物を買うと、大切に使うし、ずっと飽きない。まだ購入したばかりなので、これからどういうふうに自分の体や暮らしに馴染んでゆくのかが楽しみです」

リビングのネイビー系の壁には、お気に入りの写真家の作品や絵画などが飾られている。

カーテンを締め切ると、自然光が降り注ぐ明るい室内が一転。モリスのテキスタイルの存在感が増して、重厚感のある雰囲気に包まれる。

長くクリエイティブデザインをしてきた仕事柄、“本物思考”を大切にする竹本さんだからこそ、モリスの「アートの力で、毎日の生活を美しく」という考え方に基づいたテキスタイルや、春山 満の信念にも同調できたのだろう。

「使うものが美しいと、人の心は豊かになる」というモリスの名言がある。好きなものに囲まれて、好きなことができる日々を実現している竹本さんは、まさにモリスの名言を体現した暮らしをされていた。

(プロフィール) たけもとこうざぶろう/1973年に株式会社キャップ・アソシエイツを創業。企業の広告デザインから、パッケージデザイン、ブランド構築まで、幅広くクリエイティブに携わる。現在は同社会長職となり、2024年に千葉県鴨川に移住。週に1回程度会社に顔を出し、大好きなゴルフを謳歌する日々。


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