いよいよ外国人材に訪問介護サービス解禁か

いよいよ外国人材に訪問介護サービス解禁か

以下は5月10日の読売新聞の要約です。ついに外国人材に訪問介護サービスを解禁するようです。

厚生労働省は介護分野で働く外国人労働者の受け入れルールを見直し、業務範囲を拡大する方針を固めました。現在、訪問介護サービスは外国人労働者が出来ない仕事ですが、これを解禁することが検討されています。介護分野で働く外国人材は2022年時点で約54,000人と、特に特定技能ビザの導入以降、増加傾向にあります。しかし、日本語の意思疎通の問題から訪問介護サービスなどでの就労は認められていません。一方、介護分野は深刻な労働力不足に直面しており、特に訪問介護サービスの求人倍率は14.99倍に上っています。この現状を踏まえ、外国人労働者の就労解禁を求める声が高まっており、厚労省もこれを受けてルールの見直しを進めています。ただし、日本語能力不足による業務への支障の懸念もあり、解禁条件が焦点となる見通しです。最終的な見直し内容は、今秋にまとまる最終報告書や業界団体からの意見を踏まえて判断されます。

◆ 政府は世論を意識か

読売新聞の記事は、特に目新しい物ではありません。実は3月10日の衆議院・厚生労働委員会にて厚労省「社会・援護局」の川又竹男局長が、訪問介護サービスや住宅型有料老人ホームでの外国人材の就労検討について言及しています。

https://www.hni.co.jp/1420

つまり、読売新聞の記事は政府が世論を意識した観測気球の可能性が高いのです。観測気球を上げるということは、本気で検討していると考えられるのではないでしょうか。

◆ 決めるのは厚生労働省 2024年4月スタートか

技能実習制度や特定技能のあり方について、有識者会議が開催され最終的な見直し内容は今秋にまとまる予定です。それでは、秋に見直し内容がまとまると、いつからスタートするのでしょうか。

本件に国会の議決が求められる法律の改正は不要です。技能実習制度や特定技能に係る法律には細かい運用について規定はありません。管轄する省庁が定める省令の、更に下に位置する告示(運用のルール)を変えるだけで良いのです。与野党の攻防や国会決議を経る必要は無いため、方向性が決まれば新ルールのスタートまでは早いでしょう。今秋に最終報告書がまとまるため、それに合わせた形で新ルールを公表し、2024年4月よりスタートするものと思われます。今まで人手不足なのに外国人材の雇用が出来なかった職種の皆さんは、今から準備を始めても遅くないでしょう。