在留資格「介護」とは?

2017年に設立された在留資格「介護」は、介護福祉士の資格を取得した外国人が日本で介護職として働くためのビザです。この資格を持つことで、日本で長期的に介護の仕事に従事できるとともに、家族も帯同することが可能です。

主な特徴

  1. 家族の帯同:配偶者や子供と一緒に生活できます。
  2. 訪問介護が可能:他の在留資格ではできない訪問介護が認められています。
  3. 在留期間:5年ごとの更新が必要ですが、回数制限がなく長期的に働けます。
  4. 採用人数に制限なし:採用において人数の制限がありません。

ビザ取得要件

在留資格「介護」を取得するためには、以下の要件を満たす必要があります。

  1. 介護福祉士の国家資格の取得:介護福祉士の資格を取得していることが必要です。
  2. 介護福祉士として業務に従事:介護施設などで介護業務に従事することが求められます。
  3. 日本の介護施設との雇用契約:日本の介護施設と雇用契約を結んでいることが条件です。
  4. 報酬額:日本人と同等かそれ以上の報酬を受けることが必要です。

取得方法

在留資格「介護」を取得する方法は主に3つあります。

1. 実務経験を経て取得

特定技能などの在留資格で入国し、介護施設で3年以上の実務経験を積み、介護福祉士の国家資格を取得した後、在留資格を「介護」に変更します。

2. 養成学校に通って取得

留学生として入国し、介護福祉士の養成学校で2年以上学んだ後、国家資格を取得し、在留資格を「介護」に変更します。

3. EPA介護福祉士候補生

インドネシア、フィリピン、ベトナムのEPA介護福祉士候補生として入国し、介護施設で実習しながら学習し、4年間で国家資格を取得後、在留資格を「介護」に変更します。

外国人介護福祉士の合格率

外国人の介護福祉士の合格率は低く、例えば第34回の試験では合格率36.9%とされています。日本人の平均合格率70%と比較すると、外国人にとっては日本語での試験の難易度が高いことが伺えます。

採用方法

在留資格「介護」の採用方法は以下の通りです。

  1. 介護福祉士養成施設との連携:在学中から実習やアルバイトとして受け入れ、国家試験合格後に採用。
  2. ハローワークや人材紹介サービス:求人広告や人材紹介会社を利用して募集。
  3. EPA介護福祉士候補生の受入れ:国家試験合格後に在留資格「介護」に切り替え、採用。
  4. 特定技能や技能実習生の採用:国家試験合格後に在留資格「介護」に変更し、採用。

他の在留資格との比較

在留資格「介護」は、技能実習やEPA、特定技能と比べて業務の制限が少なく、即戦力として期待できます。しかし、母数が少ないため採用が難しいことが課題です。そのため、特定技能や技能実習からの移行を目指すのが現実的です。

特定技能を採用する際のポイント

特定技能を採用する際には、送り出し機関や登録支援機関の教育方法や支援内容を確認することが重要です。質の高い教育を提供する機関を選ぶことで、より良い人材を確保できます。

在留資格「介護」のメリット

在留資格「介護」には多くのメリットがあります。以下にいくつかを挙げます。

  1. キャリアの安定:長期的に介護の仕事を続けることができるため、キャリアを安定して築くことができます。
  2. スキルの向上:訪問介護や施設での経験を積むことで、専門的なスキルを高めることができます。
  3. 家族との生活:家族も帯同できるため、日本での生活を支える基盤が整います。
  4. 日本語能力の向上:日本で働きながら生活することで、日本語能力をさらに向上させることができます。

在留資格「介護」の課題

一方で、在留資格「介護」にはいくつかの課題も存在します。

  1. 言語の壁:日本語の習得が必須であり、特に介護福祉士の国家試験は日本語で行われるため、言語能力が重要です。
  2. 文化の違い:日本の介護文化や慣習に適応することが求められます。
  3. 長時間労働:介護の現場では、長時間労働や夜勤が求められることが多いため、体力的な負担が大きいです。

介護業界の現状と今後の展望

日本の介護業界は高齢化が進む中で、慢性的な人手不足が深刻な問題となっています。外国人介護人材の受け入れは、この問題の解決策の一つとして期待されています。特に、EPAや特定技能制度を通じた外国人介護福祉士の導入が進んでおり、今後も増加が見込まれています。

政府の取り組み

政府は外国人介護人材の受け入れを促進するために、様々な支援策を講じています。例えば、介護福祉士の資格取得を目指す外国人に対する日本語教育や職業訓練の支援、在留資格の柔軟な運用などが挙げられます。

企業の役割

介護施設や関連企業も、外国人介護人材の受け入れに向けた取り組みを強化しています。具体的には、外国人職員向けの研修プログラムやメンター制度の導入、文化の違いを理解するための社内教育などが進められています。また、外国人職員が働きやすい環境を整えるための取り組みも重要です。

まとめ

在留資格「介護」は、日本で介護福祉士として働くことを希望する外国人にとって非常に有用なビザです。取得には日本語能力や介護福祉士の資格取得が必要ですが、一度取得すれば長期的なキャリアを築くことができます。日本の介護業界の発展には、外国人介護福祉士の存在が欠かせないものとなっており、今後も受け入れの拡大が期待されています。