「育成就労」法案の審議開始
2024年4月16日、技能実習制度の改革を目指す新法案「育成就労」が衆議院本会議で審議に入りました。この法案は技能実習生が1〜2年の就労後に自身の意向で転職が可能となる内容を含み、技術向上と長期就労を支援することを目的としています。
法改正の背景と目的
法案により技能実習法や出入国管理法などが改正され、政府は2027年までの施行を目指しています。この制度は外国人労働者に最長3年の就労を認め、技能レベルの向上後に「特定技能」への移行や永住権申請が可能となるよう就労環境の改善を図ります。
現行制度の問題点と改善
現行の技能実習制度は国際貢献を前提としていますが、実際には国内労働力確保に利用されていました。この改正では、劣悪な労働環境からの転職を困難にしていた状況を改善し、転職が可能な期間を業種に応じて1〜2年に設定します。
日本側の費用負担やブローカー排除は未知数
「育成就労」は名前は新しくなりますが、実質的には「技能実習」と大差ない位置づけとなる可能性があります。新制度は建前上の人材育成よりも、実際に外国労働者の受け入れが主目的です。政府認定の送り出し機関の使用が必要なくなる可能性がありますが、ブローカー排除の具体策は未定です。
「育成就労」から「特定技能」への進展
「育成就労」から「特定技能1号」「特定技能2号」へのステップアップが計画されています。育成就労から特定技能1号への変更には3年の期間が必要で、産業や業務分野は特定技能に合わせて整備されますが、介護業界には大きな影響はない見込みです。
転職を妨害すると罰金
就労者は自身の意向で転職が可能で、受入機関だけでなく監理支援団体や外部団体への申し出ができます。この透明性は罰金制度により保証され、監理支援団体には今後、外部監査の導入が求められる予定です。
育成就労がどのようなルールになるのか気になる所です。これからも新しい情報が出ましたら掲載いたします。
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