特定技能の外国人労働者を受け入れる際には、様々な費用が発生します。受け入れ側が払わなければならない費用について解説します。
登録支援機関へ支払う費用
受入れ前 ~ 支援費
特定技能外国人を受け入れる際、多くの企業が登録支援機関を利用し、支援費用は主に初期費用として30~40万円が相場です。この費用には行政書士への支払い(10万円程度)や人材紹介料、生活オリエンテーション料などが含まれます。一部の安価な登録支援機関では10~15万円の場合もありますが、提供されるサービス内容が異なることがあるため確認が必要です。登録支援機関のサービスには事前ガイダンス、生活オリエンテーション、入居手続きの同行などが含まれます。
受入れ後 ~ 支援委託費
受け入れ後も企業は月に2~3万円の支援委託費を登録支援機関に支払います。自社で全ての支援を行うと負担が大きいため、登録支援機関を利用することで安定した雇用が可能になります。
給与・家賃補助など特定技能外国人には日本人と同等かそれ以上の給与を支払う必要があります。また、外国人が個人で契約することが難しい家賃や水道光熱費のサポートも必要です。家賃負担の割合は企業によって異なりますが、家賃全額を企業が負担するケースもあります。
言語サポートのための費用
特定技能外国人が日本で円滑に生活し働くためには、言語サポートも重要です。企業は外国人従業員に対して、日本語教育や職場でのコミュニケーションサポートを提供することが求められます。言語サポートには以下の方法があります。
日本語講座の提供
企業内で日本語のクラスを設けるか、外部の日本語学校と提携して受講させる方法があります。費用は月額1~3万円程度で、企業が全額負担することが一般的です。
通訳や翻訳サービスの利用
重要な書類の翻訳や会議での通訳サービスを利用することで、外国人従業員が業務を円滑に進めることができます。これらのサービスには一般的に1時間あたり1万円前後の費用がかかります。
生活サポートのための費用
外国人従業員が日本で安心して生活するためには、生活面でのサポートも重要です。
住居の提供とサポート
住居の手配や契約に関するサポートを行う必要があります。住居の提供には初期費用(敷金・礼金)がかかり、これを企業が負担することが一般的です。初期費用は地域や住居のタイプによりますが、5~10万円程度が相場です。
健康管理と医療サポート
健康診断や医療保険の加入手続きのサポートも重要です。特に、外国人従業員が病気やケガをした際に適切な医療を受けられるよう、企業が事前に医療機関と連携しておくことが望ましいでしょう。
費用対効果の分析
企業は特定技能外国人の受け入れによるコストと効果を常に分析し、効率的な運用を目指すべきです。具体的には、外国人従業員を受け入れることで日本人従業員も含めどのように生産性を向上させることができるのかを俯瞰し、費用に見合ったメリットを長期的に見通す視点が重要です。また、適切なサポートを提供することで外国人従業員の定着率を高め、離職率を低減させることで、再度の採用コストを抑えることは事業運営にとって重要なポイントかもしれません。
まとめ
特定技能外国人の受け入れは、企業にとって大きな挑戦ですが、適切な準備とサポート体制を整え、受け入れにかかる費用を把握することで、適正な受け入れが可能になります。不当な費用負担を避け、企業と外国人双方にとって公平な受け入れを実現するために、事前に費用の概算を計算しておきましょう。