介護福祉士養成施設への留学は、在留資格「介護」に進むための前段階のルートです。ここでは、介護福祉士養成施設への留学動向について説明します。
介護福祉士養成施設への入学ルート
介護福祉士養成施設への入学ルートは、大きく分けて二つあります。出身国からの直接入学と、日本国内外の日本語学校を経由しての入学です。多くの介護福祉士養成施設は、入学要件として日本語能力試験(JLPT)のN3以上を求めており、実際に日本国内の日本語学校からの入学者が全体の約80~90%を占めています。これは、母国での日本語学習のみでは不十分であることを示しています。
留学生の人数
2022年4月時点での介護福祉士養成施設の留学生数は4,584名です(推計)。また、留学生は週28時間までのアルバイトが認められており、夏季休暇中などは週40時間まで可能です。
介護福祉士養成施設への外国人留学生数は年々増加しており、2020年には2,395名に達し、2016年と比較して約10倍増となっています。主な出身国はベトナム、ネパール、中国、フィリピン、インドネシアです。留学生が入学者に占める割合は上昇傾向にあり、2020年には34%に達しています。介護人材への需要が高まる一方で、国内で介護士を目指す者の数は少なく、介護福祉士養成施設は積極的に海外からの留学生を受け入れています。過去のアンケート調査では、60%以上の養成施設が国内の日本語学校、人材エージェント、介護施設と連携して留学生を受け入れています。
介護福祉士養成施設卒業生の国家試験合格率
介護福祉士養成施設の卒業生の国家試験合格率は79.8%です。しかし、留学生に限ると合格率は38.0%であり、全体の合格率の約半分にとどまっています。