外国人材採用において国内在住者と海外在住者では、手続きの所要期間が異なります。国内在住者の方が就労開始までが早くなることが多いです。これは、海外在住者の場合は渡航準備に時間がかかるためです。在留資格によって異なる場合がありますが、国内在住外国人を採用する際のステップは以下の通りです。
外国人採用の手順
- 外国人への求人募集を行う
- 在留カード・在留資格を確認する(国内在住者の場合)
- 選考(面接など)
- 手続き・雇用契約を結ぶ
- 在留資格申請・変更を行う
- 入社までの準備~入社
1.外国人への求人募集を行う
外国人募集方法は大きく3つに分けられます。
・自社サイトなどに求人を掲載する
・人材紹介会社に依頼する
・既に採用している外国人社員から知り合いを紹介してもらう
それぞれ詳しく見ていきましょう。
自社サイト・求人サイト・SNSに掲載
自社サイトや求人サイトに求人情報を掲載して募集を行います。この方法は日本人向けの求人と同様ですが、雇用手続きやフォロー、行政書士への依頼などは自社で行う必要があります。費用は抑えられますが、初めての雇用の場合、在留資格によっては手続きが難しくなることがあります。また、求職者のスクリーニングは自社で行う必要があります。
人材紹介会社に紹介してもらう
外国人紹介を扱う人材紹介会社に依頼する方法です。紹介会社によって取り扱う在留資格や職種が異なるため、事前に確認しておくと良いでしょう。人材紹介会社は在留資格の取り扱いに慣れているため、初めての外国人採用や複数人の採用を行いたい場合にも適しています。ただし、信頼できる紹介会社を選ぶことが重要です。国の認可を受けた会社かどうかを確認することが基本です。
外国人社員や知人からの紹介
既に雇用している外国人社員や知人の外国人から紹介を受ける方法です。多くの外国人は同国籍のコミュニティを持っており、知人の紹介によってミスマッチが防ぎやすくなります。
2.在留カード・在留資格の確認(国内在住者の場合)
国内在住の求職者から応募があった場合、次に在留カードと在留資格を確認します。まずは偽造カードかどうか、在留期限が切れていないかを確認します。また、在留資格が就労可能かどうかも確認します。
3.面接を行う
応募者の資格に問題がなければ、次は面接です。外国人採用の面接では以下の点に注意する必要があります。
日本語能力の評価
言語能力が高いからといって業務適性があるとは限りません。具体的な経験を確認しましょう。
文化の違いの理解
外国人は日本人と異なる文化や習慣を持っています。自己アピールが積極的であっても、業務能力とは直結しない場合があります。具体的な職務内容を細かく確認しましょう。
4.手続き・雇用契約を結ぶ
外国人を雇用する場合、契約書が重要です。契約書は可能な限り母国語で作成・交付することが推奨されます。理解不足によるトラブルを防ぐためです。
5.在留資格申請・変更を行う
海外在住の外国人を雇用する場合、入国のために在留資格の申請が必要です。国内在住の外国人の場合も在留資格の変更が必要になることがあります。申請には多くの書類が必要であり、手続きが複雑な場合があります。特定技能や技能実習生などは、行政書士や人材紹介会社のサポートを受けると良いでしょう。
6.入社の準備
在留資格の申請を行ったら、入社の準備を進めます。住居の確保、銀行口座の開設、ライフラインの契約、航空券の手配、引っ越しの準備、事前の研修やオリエンテーションなどが必要です。企業は、初めて日本で生活する外国人に対して、ある程度のサポートを提供する必要があります。
まとめ
外国人採用は、細かな手続きとサポートが必要ですが、適切な準備と対応を行うことで、スムーズな採用が可能です。