第3章 起業後、初めて解る師匠の教えの難しさ

前章まで、私、宮内が師匠「春山 満」の下で修行した時代に学んだ事を中心に紹介したが、本章から私が春山道場を巣立ち起業してから、改めて理解した師匠の教えを皆様にお伝えする。

脳から血が出た日々

春山道場を卒業して、私は意気揚々と起業の道を選んだ。

もちろん、「春山社長のようになりたい」。ただそれだけであった。決して何かをやりたかったのではなく、私は「春山 満」になりたかっただけである。しかし、その道は予想以上に険しかった事は言うまでもない。

私を含め、社のメンバーは3名。私はアラフォー、一人はアラサー、もう一人はモロフォー(40歳)。笑 こんな自分にでも付いて来きてくれる仲間と立ち上げた会社だが、キャッシュが回らなくなり、一人の仲間を大阪に一度返し、新たな出発を促したこともあった。

売り上げがない月ばかり・・・もう諦めかけた日々・・・

ただ、諦めようとすると夢の中で叱り飛ばされる。

「お前、脳から血が出るほど考えてんのか!?ボケ!!」と・・・

ある意味、会社が潰れるよりも恐ろしかった(笑)。

まあ、今だからこそ面白おかしく書いているが、会社と仲間を失いかけた時、心の支えは、苦しかった春山道場での3年間の経験だけだった。本当に苦しかったあの時、私は春山道場で学んだ頃をもう一度振り返った。

それこそ「脳から血が大量に出る」ぐらい考えた。

そして自分の中で整理された答えが見つかった。

「己に足りない部分を冷静に考え、素直に認め、改善につなげるべき手段を愚直にやり抜く。」

これは「春山道場」で耳にタコができるほど聞いた言葉だった。会社が潰れそうで、目先の事ばかり考えると、こんな大切な事も忘れてしまうのかと恥ずかしくなった。

徹底的にパクる!

私が「気付き」を得たその日から、現実を受け入れ、己の立場と力量を見つめ直し、すべきことを愚直にやり抜いた。その結果、平穏安泰とまではいかないが、無事に三期目を迎える事ができた。結局、与えられた試練その時々で一所懸命に「春山 満」の言動を真似、実行した結果であった。

私は思う。「純粋に誰かに憧れ、それを真似る。そして、不必要なプライドを捨てる」これが、できるかできないかが、ビジネスだけではなく人生をも左右すると思っている。

親のもとに生を授かった我々「人の子」は、親兄弟や諸先輩方の行動に興味・憧れを持ち、「ままごと=真似ごと」を行うことにより、危険を伴いながらも昨日まで出来なかったことが今日出来るようになり、成長してきたのである。

そう、「ままごと=真似ごと」とは、愚直に学び行動することなのである。

もし私が「春山道場」の教えを守らず、違う観点のもとで、己と、社会を見ていたら簡単に会社は潰れていた。

何事も、一点の迷いも無く、己が信じるべき教えに出会えたのであれば、「徹底的にその教えをパクる」。そして、これに加えて行動の連続が必ず弱点の克服に導いてくれる。

これが、「春山道場」で教わった『生き抜く哲学』である。

私のつたない文章だけでは、なかなか皆様に伝わらないと思うので・・・

春山 満&春山哲朗著『脳から血〜でるほど考えろ!!』の中で、私の心に響いた、そして是非とも皆様にお伝えしたい大好きな文章がある。以下の文章を読み、心に残った方は1つでも2つでもヒントにし、真似ごとから始めて頂きたいと思う。

 

この首から下が動かない「ハンディ」というものが、結果的に僕に大きなパワーを与えてくれたと思うな。ただね、それは何とか克服したい、社会に参加したいという執念のような思い。血の出るような努力と行いの連続のもとに、ひょっとしたら克服できるかもしれない、この光を信じてひらすら前に歩き続けた、そんな連続だったな。やがて、僕にはできないことが山のようにある。ただ僕にしかできないこともある、と素直にひらき直れるようになったのよ。

ハンディを乗り越える、自分の弱点を乗り越える、ここに人は大きなパワーをつけていく。僕はこのことを、これまでの自分を振り返って、改めて「もっともだな」と本当に思うな。自分の中の敵と闘う、自分の弱点を克服する。これは本当にむずかしいけれど、人は誰しもこの絶望のふちを這い上がり、弱点を乗り越えるところに新しい強さと形をつくるのよ。

春山 満 & 春山 哲朗 共著 『脳から血〜でるほど考えろ!!』(週刊住宅新聞社) P.138を引用

 to be continue・・・

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■ 宮内 修 プロフィール

アイシーズ株式会社 代表取締役

1973年3月に父 宮内 義彦(現オリックス株式会社 取締役兼代表執行役員・グループCEO)の次男として生まれる。 大学卒業後、ミズノ株式会社へ入社しゴルフ用品の
販売を主に手がける。その後、オリックス・リビング株式会社に入社し有料老人ホームの開発や営業、運営の責任者を歴任。 2008年10月に有料老人ホームや高齢者専用賃貸住宅を紹介するアイシーズ株式会社を設立し、代表取締役に就任する。


 

■ 春山 満 プロフィール

株式会社ハンディネットワーク インターナショナル 代表取締役

24歳より進行性筋ジストロフィーを発症。現在首から下の運動機能を全廃。1991年
ハンディネットワーク インターナショナル設立。幅広いネットワークと体験を通した独自の視点と着眼で、オリジナル商品の開発や大手医療法人・企業等のコンサルティングなど幅広く活躍。2003年、米国ビジネスウィーク誌にて『アジアの星』25人に選出。
2005年、オリックス不動産(株)と共同出資で、高齢者住宅運営会社オリックス・リビング(株)を設立。2008年、ハワイシニアライフ協会名誉理事就任。

 




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