更新日:2010.9.10
己が惚れる自分になろう 其の一
このコラムが掲載される9月28日(2003年)、私は富山で講演を行う。
誠にありがたい話ではあるが、各地の経済界や医療界そして教育関係からも講演の依頼を頂き、時にはお断りしながらも仕事の合間を見つけては年に百回はこなす。
ただ、今回の富山での講演会は、少し趣向が異なる。
■ 子どもたちに講演
主催者は富山青年会議所、タイトルは「元気になる課外授業」。
そして「今を生きる!」をテーマに、公開募集した中学生を中心に第一部が開催され、それを傍聴する保護者や大人たちを対象に第二部のディスカッションへと続く。
いわば、私が一日にわか教師として教壇に立つ、という企画である。
日本を元気にさせる、再活性させる最重要項目として教育の見直しが必要だと私も痛感していたので、今回の企画は喜んで引き受けようと思った。
もちろん、子どもたちへのメッセージとともに、力強く生き抜くヒントのひとつでも残せればと考えてのことだ。
しかし、主催者より送られてきた講演会パンフレットを見せられた時、あれっ、と違和感を感じた。
すでに富山県を中心に多くのマスコミや関係機関にも配布されているらしい。
私が違和感を感じたのは、この企画を主催した挨拶文として、中学生に対して次のような問いかけがなされている点だ。
「あなたの瞳は将来への夢や希望で輝いていますか?」「あなたは自分の個性に気付き、それを大切にしていますか?」「あなたは大人になることへの不安を持っていませんか?」
そして、「あなたは何かを諦めていませんか?」と問いかけた後、イチロー選手の事例を紹介しながら、小さなころから待ち合わせた夢を実現させたことのすばらしさ、
無限の可能性を持つすばらしさについて述べ、
「夢と希望あふれるこの課外授業へ是非ご参加ください」と結ばれている。
(次回に続く)
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