更新日:2011.3.11
鋭気を避け、惰気を撃つ 其の二
■ 戦わずして勝つ
だから私は、ものをつくるときに、絶対に三つの点を見逃さない。
新しい浴槽、介護用のテーブルなどさまざまなヒット商品を生んだ時もそうだった。
一つには、潜在的に望まれていながらいまだに提供されていない商品であるか。
二つ目には、その開発がもたらす効果が高付加価値、高価格で提供できるか。
三つ目に、その商品、サービスが時代の流れで潜在化から顕在化へ移るスレスレであるか。
競争のある分野では戦わない。これはビジネスの哲理。
例えば、値崩れが蔓延化したベッドメーカーの戦いに巻き込まれるつもりはない。
その周辺で潜在的に望まれていながらも提供されていない商品、
差別化したいけれど業務省力化させないと人が持たないというポイントを虎視眈々(こしたんたん)と見つめていると、
多くのマーケットは過飽和のように見えながらも実はこんなにも未開拓な分野があると気付く。
中国・春秋時代の末、孫武(そんぶ)が書いた孫子の兵法。 書名を『孫子』という。 その戦略の柱は「戦わずして勝つ」。
中国二千数百年の昔から今でもそれが、最も優れた戦法と言われている。
戦わずして勝てば、相手をすべてあやつれ手負いも受けない。
これが一番の将軍の資質なのである。
戦って勝つのは、二流なのだ。
(次回に続く)
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