外国人介護士受け入れ、4つの制度の歴史を解説

現在日本では4つの制度で外国人介護人材を受け入れています。インドネシア、フィリピン、ベトナムから看護師・介護福祉士候補者を特例的に受け入れるEPA、外国人が介護福祉士資格を取得し介護業務に従事できる在留資格「介護」、技術移転を目的とした外国人技能実習制度、最後に、深刻な人手不足に対応し、専門技能を持つ外国人を受け入れる特定技能です。この記事ではこれらの外国人受け入れ制度の歴史を解説します。

EPA 介護福祉士候補者の受け入れ

日本での外国人介護人材の受け入れは、2008年7月に始まったインドネシアとの経済連携協定(EPA)がきっかけです。この協定に基づいて、看護師と介護福祉士候補者が日本に受け入れられるようになりました。これは労働力不足に対応するためではなく、二国間の経済活動の強化と日本の国家資格取得のための知識と技術の修得を目的としています。同年12月にはフィリピンからの受け入れが始まり、ベトナムからの受け入れも2014年6月に開始されました。

在留資格「介護」

2017年9月には「出入国管理及び難民認定法の一部を改正する法律」が施行され、介護福祉士の国家資格を取得した留学生に対して新しい在留資格「介護」が創設されました。この背景には、高齢化に伴う介護需要の増加と、資格を持つ留学生が日本で介護業務に就けるようにすることがありました。2020年4月からは、実務経験を経て国家資格を取得した場合にもこの在留資格が適用されるようになりました。

「外国人技能実習制度」に介護職種が追加

2017年11月には外国人技能実習制度に介護職種が追加されました。この制度は日本の技能や技術を開発途上国に移転することを目的としており、介護人材の確保を主な目的とするものではありません。

「特定技能」が創設され介護分野も対象に

2019年4月には新たに在留資格「特定技能」が創設され、介護分野も対象となりました。この資格は、深刻な人手不足に対応するため、一定の専門性や技能を持つ外国人材を受け入れる制度です。他の在留資格からの移行も可能で、外国人介護人材の受け入れの門戸が広がっています。

外国人介護人材受け入れの主な出来事

  • 1993年4月: 外国人技能実習制度の創設
  • 2008年7月: インドネシアとのEPA発効、看護師・介護福祉士候補者の受け入れ開始
  • 2008年12月: フィリピンとのEPA発効、看護師・介護福祉士候補者の受け入れ開始
  • 2009年10月: ベトナムとのEPA発効
  • 2010年7月: 在留資格「技能実習」の創設
  • 2014年6月: ベトナムとのEPAによる看護師・介護福祉士候補者の受け入れ開始
  • 2017年9月: 留学生のための在留資格「介護」を創設する法律施行
  • 2017年11月: 外国人技能実習制度対象職種に「介護」が追加
  • 2019年4月: 在留資格「特定技能」の施行

まとめ

これまでの経緯を見ると日本の介護分野における外国人材の受け入れが進展し、多様な形での労働力確保が図られてきたことが確認できます。外国人材受け入れを検討している場合または既に受け入れを行っている場合での今後の制度の動向に注意していくことが重要です。