更新日:2013.5.8
恐怖のバトンタッチ 其の三
■ 自己責任の姿勢を
しかし、私は彼に毒のある一言を吐いたことを後悔してはいない。
「介護の恐怖は経験したものでないとわからない」と言いながら、それが過去の出来事として、もう人事になってしまっている。自分もその予備軍だという自覚が全く欠落している。せっかく貴重な経験をしておきながら、「介護の恐怖を子供や孫に引き継がせてはならない」という教訓をまったく学びとっていないのだ。
“老い”は誰(だれ)にも等しく訪れる。私たちは誰しも要介護高齢者の予備軍である。
“老い”で子供を泣かすまい。
親の介護で子供が泣くという“恐怖のバトンタッチ”を断ち切らなければならない。
今、日本に求められているのは、こういった毅然(きぜん)とした自己責任の姿勢と自己選択である。
(次回に続く)
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