更新日:2013.8.14
老いへの3つの「助」 其の三
■ “ヒルト”的な社会を
そして忘れてならないのが「共助」の精神。これが私の唱えるHILT=iヒルト・Harmony In Living Togetherの略)― 共に暮らし合う調和という考え方である。
子ども叱(しか)るな来た道じゃないか、年寄り笑うな行く道じゃないか。そして人は誰でも一時的健康者、やがてすべての人々がいつかは高齢化し、いつかは介護を必要とする。このような意識を一人ひとりが持ちさえすれば、これから拍車がかかる日本の超高齢時代でさえ十分に対応できると私は確信する。
医学は進歩の一途を辿っている。人間は幸か不幸か、簡単には死ねなくなった。「死なない」のではなく「死ねない」のである。静かに老いと向き合う人々にも、いとおしい人生がある。だからこそ、ささやかでも爽やかに、最後まで生きぬいてほしいと、私は願う。
それは、人生への危機感と常に隣りあわせで生きている、私自身へのエールでもある。
(次回に続く)
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