総合トップ > 春山 満について > メッセージ集 > 闇に活路あり > 闇に活路あり もくじ 1
春山 満の僕の元気 〜春山 満 コラム集〜

闇に活路あり

第八章其の三


更新日:2009.4.30
何が日本を狂わせたのか 其の三

■ 低成長にわけあり

われわれはこうした人口動態が急変する未経験のステージに、いやでも応でも突入する。
もう「長生きはいいことだ」という薄っぺらなヒューマニズムだけでは通用しない。形だけの優しさを
超えて、どれだけ私たちが新しい日本人として「この国の形」を再構築できるかが問われている。

高度経済成長とともにこの国を歪めてきたわれわれは仕方ない。しかし、われわれがこれ以上
お茶を濁すことはもはや許されない。断じて、孫や子供に私たちの想像もつかないようなツケを
支払わせるようなことだけはしてはならない。
自らが礎となって「もう一度強い日本のダイナミズムをつくる」という気構えが必要だ。

■ゼネコンは悪か

日本は独自の視点が必要だ。例えば欧米で悪の権化のように言われている「ゼネコン」が<本当に
そんなに悪いだけのものなのだろうか?私も事業で建物発注に携わるが、仮に分離発注した場合、
個々のコストを抑えて安く上げたように見えても、不具合が生じるとそれぞれに対応先が違う。

担当の業者が倒産でもしたら最後、代わりの業者も自分で見つけてこなければならない。
物流倉庫ならまだしも、命を預かる現場では言語道断だ。しかし「ゼネコン」だと、
その会社一ヶ所に連絡すればメンテナンスも含めて全部の面倒を継続的に見る。

大手業者として、一見おいしい部分だけをピンハネしているように見えても、裏では弱い部分の
業者を時には保護したりして建築工事全体がスムーズにいくように目配りを欠かさない。
もちろん、談合や癒着という構造は許してはならないが、私はあえて「本来のゼネコン、という日本型
経営文化も悪くない。時としてゼネコンはお守り」と言いたい。

欧米の口車に乗って、日本有数の穀倉地帯のど真ん中の小学校で給食にパンを食べさせているような 「グローバル・スタンダード」が本当に日本のためになるのだろうか?
自分たちのつくりあげた今の日本の繁栄をもう一度、否定も肯定も含めて「はて?」と見直してみる姿勢が必要だ。

(次回に続く)





僕が取り戻したGood Time 僕がみた世界のGood Time 子供たちへ 壷中有天 新しい家族へ 闇に活路あり