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春山 満の僕の元気 〜春山 満 コラム集〜

闇に活路あり

第十二章其の一


更新日:2009.12.18
花を支える茎と根 其の一

デンマークが独自の介護制度と税制をつくり上げる時に、国を二分する大議論になった。

■ デンマークの決断

首都コペンハーゲンには暴動寸前のデモがあり、相当数の国民が反対した。そこで当時の首相は周囲の反対を押し切り、デモの大群衆の前に立ち、 自らの口で説明をした。

「あなたたちの怒りは分かる。しかし、私はここに集まっている十万人のためだけに政治を行っているのではない。反対の意思を持ってここに来れる人はいい。 しかし、ここに来たくても来れない国民の声もあるのだ」と。


デンマークの政治家は、こういうはっきりしたメッセージを発信する。日本の政治では通じないと思うが、経済にしても、教育や家庭にしても、 「自己責任で自らが逆指名して」断固たる決断をする。
日本では各メディアを通じてスウェーデンやデンマークなどの北欧の国は「とにかく介護、医療、高齢者福祉に対して非常に素晴らしい」と 紹介しているが、私がマスコミにお願いしたい点は「花だけを報道するな」ということだ。

「花」の部分だけを報道されると、最初は驚嘆する。ところが慣れてくると「私たち日本はダメで、欧米は素晴らしい」と評論する。 そういう誤解の中で私たちは「花を咲かせるためには、茎や根がいる」という当たり前のことに気付かない。


(次回に続く)





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