更新日:2010.2.8
ヒット商品開発の裏話 其の一
今、全国のテレビショッピングでひとつの商品が話題になっている。
それは「ディプスリー」という名のベッドパッドである。私とオリックスが共同開発し、一年半前から市場へリリースした。
■ 16カ月間トップ
通常のベッドパッドであれば例えば九千八百円、もっと安いのであれば六千円程度で販売されているのに、このベッドパッドは何と六万円もする。
こんなに値がはるのに、十六カ月間、テレビショッピングの売り上げランキングで常に最上位グループの地位を奪われずにヒット商品として存在し
続ける。
今月も売れ続けている。テレビショッピング界のキー局の一つ、QVCの佐々木社長は「春山さん、なぜこんなにも売れ続けるんですかね?
膨大な種類の商品を私たちは扱ってきましたがこんな商品は過去に全く例がないんですよ」と唖然(あぜん)とされる。
私はニヤニヤと笑いながら「売れ続ける理由は、お客さまが満足しているからでしょう。
『買いたい』という魅力があるからでしょう」と少しだけ禅問答のようなヒントを与えた。
実は、このベッドパッドが開発されるまでに、こんな裏話がある。
オリックスグループの社長が私に「とんでもない素材が開発された。
常温遠赤外線を爆発的に発散させる天然セラミクスの複合体を粉体にしてプリントすることに成功した」と話を持ちかけてきたのが、今から約三年前。
その試験作として出来上がった六角形のプリント体を貼付した一枚のシートを見せられて、
「遠赤外線なんて、なんだかインチキくさい」と私は直感した。
しかし、私にこの素材を提案された相手が、ビジネスパートナーとして信頼するオリックスグループ不動産部門の西名社長であったため、
「この人が言うんだったら間違いないかもしれない」と思い開発に着手した。
こうして生まれたのが「ディプスリー」である。
(次回に続く)
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