更新日:2010.5.21
今学ぶべき根本と本質 其の二
■ 古典のすばらしさ
以前に紹介したが、イギリスの哲学者ニューマンは「はじまりらしきはじめを持たない人生は憂いなさい」と言った。
淮南子を生み出した中国の時代背景や文化環境とはまったく異なるはずなのに、その教えるところは驚くほど一致している。古典のすばらしさはここにある。
私の半生を振り返ると、まるでジェットコースターに翻弄されてきたような一面もあるが、その都度、その都度、岐路に立つたび私を支えてくれたのは、
中国を代表とする古典にあった。
没落商人であった父ではあるが、小さなころから私をひざに抱いて、よく古典を口述してくれた。「せめて十八史略と史記ぐらいは読んでおかないとな・・・」と
いう念仏のような刷り込みもあって、十八歳ぐらいから親しみだした。
そして二十代、三十代、四十代と、時代とともに私の人生の変化とともに読み返してきた。その時、その時、新たな発見と感動を覚えるたび、一千年を超えて
人の支えとなる教えとはこんなにも味わい深く、学んでも学んでも新しい発見があるのかと今でも驚かされる。
(次回に続く)
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