更新日:2010.6.4
今学ぶべき根本と本質 其の三
■ 足りないのは宗教
今、日本に足りないものは、宗教である。
ただ、誤解しないでほしい。私が意味する宗教とは、例えばキリスト教や仏教を代表とする宗派による教えではない。
本来、中国で意味する「宗」とは、人生のおおもとの変わることのない真実を指す。この根幹を学び、やがて「正」と記されるように、
一に止まる真実を探す教えこそが宗教である。
その「宗」に対抗する言葉を中国では「科」と記す。「宗」が根や木の軸であるとすれば「科」は末節すなわち枝葉を意味する。
細かな現象やささやかな組み合わせの結実を学ぶ、これが「科学」である。
「科学」ばかりに明け暮れてきた二十世紀の日本、今こそ物事の根本、そして人として生きる本質をしっかり押さえるところに、 すべて再生のヒントは隠されている。
(次回に続く)
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