更新日:2011.4.8
己の幸せのために働け 其の一
毎年、春と秋に行われる弊社HNI恒例のディーラー研修会では、その年々のキーワードと戦略を解説した上で、必ず「ものを売るな、考え方を売れ」と檄(げき)を飛ばす。
■ 個人の意識改革を
もの売りは叩かれる。考え方を納得させれば「おまかせ定食」につながる。なぜ潜在的に望まれながら今まで提供されなかったのかという開発の背景を正しく理解し、
だからこの新商品がもたらす効果が、提供される側にとってどれだけ高付加価値かを示し、それが高価格でも通用するビジネスとして成立することを伝える。
そして、「儲(もう)けてください。儲けなくして優しさは続きません。己のために、家族のために働いてください。己の幸せを自ら勝ち取れない者が、どう
して組織の繁栄を支え続けることができるのですか。
己が幸せを追い求め、家族が幸せを享受する。そこから人間の活力は生まれるのです。それを持続させるために組織を繁栄させてください。
だから組織の中の自分ではありません。自分の幸せを維持するための箱が組織なんです」と繰り返す。
今や、もう個人の意識改革なくして、組織の危機管理は構築できない時代。その組織が健全にビジネスとして連鎖することが、社会を活性化させ、
この闇を切り開く鍵になると確信するからだ。
最後に、「原点に戻りましょう。二つのことを大切にしてください。それは日々の健康を維持することと交通事故を起こさないこと。安全でなければ本当の冒険はできません」
と締めくくる。
無事是(これ)貴人。
これは財界総理と称された石坂泰三さんが大切にしていた言葉。無事だからこそ冒険ができる。追われれば、冒険はできない。暴走につながる。
十分の余裕があるからこそ、命がけの交渉もできる。前の車と十分に距離をとって運転しているからこそ、運転しながら企業戦略も練ることができる。
こういう日々の安全と余裕なしに、真剣勝負には臨めない。
(次回に続く)
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