更新日:2011.6.17
消えたビジネスマインド 其のニ
■ 考え方を売る手法 下
十社のディーラーができ、いよいよ全国拡販というとき、大手ベッドメーカーから独占契約の申し入れがきた。わが社が新開発した商品を一手に担いたいという。
シェアでは日本第二位のこの会社の提携を悪い話と思う人がいるだろうか。
「お望みの金額を言ってください。これまでかかった開発費も負担しましょう。ですから、わが社の独占販売商品として提携させてください」
条件も申し分なかった。しかし、私は断った。流石(さすが)のこのメーカーも怒りをあらわし、「いい加減にしてください。この提携条件のどこが不満なんですか。
失礼かもしれないが、こんな条件、二度と提示できませんよ」と強く迫ってきたので、私も切り返した。
「あなたと組んで売れるとは思えないからですよ。多少の量はさばけるでしょうが、その結果、あなたのライバル会社のシェア日本一のメーカーとその関連会社は
わが社の商品を売らなくなるでしょう。このマーケットは、まだ戦後の闇市のようなものです。だから、私はどことも独占契約はしない。
わが社は、北海道から沖縄まで、地場を確実にローラー展開できる良質の企業とコツコツ手を結んでいきますよ」
(次回に続く)
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